目次
この記事の要点
- 立っているだけで腰が痛くなるのは、股関節が「くの字」に固まっていることが原因のことが多いです
- 腸腰筋(ちょうようきん)や太ももの内側の筋肉が硬くなると、股関節が曲がったまま戻りにくくなります
- その状態で立つと、腰は常に背筋運動をしているような状態になり、疲れて痛くなります
- だから腰をいくら揉んでも、腰だけをストレッチしても改善しないのです
はじめに
「歩くのは平気なのに、立ち止まっていると腰が痛くなる」「台所に立っていると、10分くらいで腰がつらくなって座りたくなる」。こんな経験はありませんか。
座れば楽になる。だから大したことはないと思って過ごしてきたけれど、もう何か月も続いている。病院に行っても湿布と痛み止めをもらって終わり。原因もよくわからないまま、どうすればいいのかわからない。当院には、そんなお悩みでご来院される方が本当に多くいらっしゃいます。
はじめまして。京都市北区にあります、もり鍼灸整骨院 院長の森洋人です。柔道整復師・鍼灸師として15年間、8万人を超える患者さんの体に向き合ってきました。
結論から言うと、立っているだけで腰が痛くなる方の本当の原因は、腰ではなく股関節が「くの字」に固まっていることにあります。今回は、その仕組みと、ご自宅で試していただけることについて解説していきます。

こんな症状で悩んでいませんか
まず、当てはまるものがないか見てみてください。
- 立ち仕事や台所仕事で、10分ほど立っていると腰が痛くなってくる
- 痛くなると、座らずにはいられない
- 座ると楽になるので、つい座ってしまう
- この状態が3か月以上続いている
短期間で出てきた痛みではなく、こうして長く続いている慢性的な痛みの場合、これからお話しする原因が関係している可能性が高いと考えられます。
特に起こりやすいのはこんな方
年齢や男女の差に関係なく起こりますが、なかでも次のような方に多く見られます。
- デスクワークで長時間座っている方
- 長時間、車の運転をされる方
- 同じ動作の作業を繰り返す方
共通しているのは、股関節を曲げた姿勢を長く続けているという点です。ここが、あとでお話しする原因につながっていきます。
揉んでもストレッチしても治らないのはなぜか
「腰が痛いのだから、腰をどうにかすればいい」。そう思うのは自然なことです。実際、多くの方が腰を揉んだり、腰のストレッチをしたりしています。
ところが、それで改善しないケースがとても多いんですね。当院にご相談に来られる方からは、こんなお声をよくいただきます。
- マッサージを受けた直後は楽になるが、またすぐ戻ってしまう
- 腰のストレッチを続けているのに変わらない
- 病院では湿布と痛み止めをもらって終わりだった
- そもそも原因がわからなくて、どうすればいいかわからない
ここで大切なのは、腰は「痛みが出ている場所」であって、「原因のある場所」とは限らないということです。痛む場所と原因の場所が違っていれば、痛む場所をいくらケアしても届きません。
本当の原因は「くの字」に固まった股関節
では、原因はどこにあるのでしょうか。多くの場合、それが股関節です。
股関節を曲げる働きをしている筋肉に、腸腰筋(ちょうようきん)という筋肉があります。背骨の前側から太ももの骨につながっている、体の奥にある筋肉です。それから、太ももの内側の筋肉も股関節を曲げる働きに関わっています。
座っている時間が長かったり、同じ姿勢を続けたりすると、これらの筋肉は縮んだまま硬くなっていきます。すると、股関節が曲がった状態、つまり「くの字」のまま固まってしまうのです。

立つと腰が「ずっと背筋運動」をしている状態になる
ここからが大事なところです。
股関節がくの字に曲がったままだと、本来はそのまま前かがみの姿勢になります。でも、実際の生活では体をまっすぐにしないと歩けませんし、家事もできません。
そこで体はどうするか。腰や背中の筋肉を使って、無理やり体を起こすのです。トレーニングでいうと、うつ伏せから上体を起こす「背筋運動」のような力の使い方になります。
想像してみてください。もし背筋運動をずっと続けていたら、腰はどうなるでしょうか。当然、疲れてきますよね。股関節がくの字に固まっている方は、ただ立っているだけで、これに近い力が腰にかかり続けています。
だから、10分も立っていると腰が疲れて痛くなってくるのです。そして座ると股関節はくの字のままでよくなるので、腰の負担が減って楽になる。「立つとつらいのに、座ると楽」という状態には、こういう理由があるんですね。
つまり、腰痛の本当の原因は、固まってしまった股関節のほうにあるということです。腰はその負担を引き受けている場所にすぎません。だから、いくら腰をマッサージしても、腰をストレッチしても、その腰痛は改善しないのです。
実際の患者様の例
先日ご来院された40代の女性の患者様も、まさに同じお悩みでした。
毎日の台所仕事で、立っていると10分くらいで腰が痛くなってきて、座らずにはいられない。そんな状態が続いていらっしゃいました。
治療を行っていくなかで、立っていられる時間が少しずつ伸びていきました。そして4回から5回ほど治療を受けられた頃には、お料理を作る時間に腰が痛くて困ることはなくなったとおっしゃっていました。
もちろん、お一人おひとり体の状態は違いますので、同じように進むとは限りません。ただ、原因のある場所にきちんとアプローチできれば、変化は出てくるものなんですね。
まず試してほしいセルフケア
ご自宅でできることとして、腸腰筋をゆるめるケアをおすすめしています。当院のYouTubeチャンネルで詳しく解説していますので、まずはこちらを見ながら試してみてください。
① 1分で腰痛改善!本当の原因は「お腹」にありました
腰を揉んでも良くならない理由と、お腹側からアプローチする方法をお話ししています。
画像をクリックすると動画が再生されます
② これができない人は危険!腰痛の1番の原因を改善するストレッチ
股関節まわりの硬さをチェックしながら、ゆるめていく方法を紹介しています。
画像をクリックすると動画が再生されます
※動かしてみて痛みが強くなる場合は、すぐに中止してください。また、しびれが出る、じっとしていても痛む、という場合は自己判断で続けず、一度専門家にご相談ください。
それでも改善しないときは
正直にお伝えします。症状が強い方、長引いている方は、セルフケアだけで改善しない可能性も高いです。
長い時間をかけて固まってしまった股関節は、ストレッチだけでは戻りきらないことがあります。また、股関節だけでなく骨盤や背骨のバランスまで崩れていることも少なくありません。
その場合は、きちんと治療を受けることをおすすめします。ただし、治療院選びが大切です。腰だけを診るのではなく、体の歪みや姿勢、股関節の硬さや動きまでしっかり診てくれるところを選んでください。
インターネットで探すときは、お住まいの地域名と一緒に「腰痛 股関節」「姿勢 歪み 治療院」といった言葉を入れて検索すると、そうした治療院が見つかりやすくなります。
もし京都市北区周辺にお住まいの方でしたら、もり鍼灸整骨院にご相談いただくのもひとつの選択肢です。
まとめ
いかがでしたか。端的に言うと、「立っているだけで腰が痛いのは、腰のせいではなく股関節のせい」というお話でした。
- 腸腰筋や太ももの内側が硬くなると、股関節がくの字に固まる
- その状態で立つと、腰が常に背筋運動をしているような負担を受け続ける
- だから立っているだけで腰が疲れ、座ると楽になる
- 腰を揉んでも改善しないのは、原因が腰にないから
- まずは腸腰筋のセルフケアを。改善しないときは股関節まで診てくれる治療院へ
「立っているだけなのに痛いなんて、大げさかな」と思って我慢されている方もいらっしゃいます。でも、気のせいではありません。体はきちんと理由があって痛みを出しています。
FAQ(よくあるご質問)
Q1. 座ると楽になるので、あまり深刻ではないのでしょうか?
A1. 座ると楽になるのは、股関節がくの字のままでいられて腰の負担が減るからです。楽になること自体は悪くありませんが、座っている時間が長いほど股関節はさらに固まりやすくなります。楽だからと座り続けると、かえって根本の原因が強まっていく可能性があります。
Q2. 腰のマッサージやストレッチはやめたほうがいいですか?
A2. やめる必要はありません。疲れを取るケアとしては有効ですし、気持ちよく感じるならそれも大切なことです。ただ、それだけでは根本の原因である股関節には届きません。腰のケアに加えて、股関節のケアもしてあげてください。
Q3. どのくらい続ければ変化が出ますか?
A3. 体の状態によって大きく違うので、一概には言えません。何年も固まってきた股関節は、ゆるむのにも時間がかかります。セルフケアを2週間ほど続けてみて何も変化がないようであれば、一度専門家に体の状態を診てもらうことをおすすめします。
立っているだけで腰が痛いという方は、ぜひ一度もり鍼灸整骨院までご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)





