皆さんこんにちは。

もり鍼灸整骨院 院長の森です。

前回のブログでは、インピンジメント症候群の概要や原因について詳しく解説しましたが、今回は自宅でできる具体的なセルフケア方法をお伝えします。

 

インピンジメント症候群の主な原因

肩のインピンジメント症候群は、肩を動かした際に関節内部の筋肉や靭帯、軟骨などが引っかかってしまって痛みを出している状態を言います。

主な原因は以下の4つです。

 

●筋肉の硬さ

特にインナーマッスルの筋肉の柔軟性、そして肩甲骨や鎖骨の関節部分に当たるところの動きや柔軟性が、痛みや可動域制限の原因となります。

 

●肩甲骨や鎖骨の動きの低下

肩関節を支える肩甲骨や鎖骨の動きが悪いと、痛みが加速します。

 

●筋肉の機能低下

筋肉を正しく使えていない場合、筋力低下が進行し動作が不安定になります。

 

●関節の位置異常

骨の位置や姿勢が悪いと、肩周りの負担が増し、症状が悪化する場合があります。

例えば、肩関節の骨が少しすれている、肩甲骨と鎖骨のポジションがおかしい、そもそも肩が上がりにくいような姿勢になっているといったケースがあります。

 

筋肉の硬さや肩甲骨や鎖骨といった関節部分の動きが悪い場合は、セルフケアで改善できる可能性がありますので、今回はそのポイントをご紹介します。

ただ、いくつかのポイントに当てはまる方はセルフケアだけでは改善しにくいので、その場合は近くの整形外科さんや治療院さんなどにまずは相談してみてください。

 

セルフケア方法

自分ではあまり後ろの方は触りづらいので、今回のセルフケアでは前側の筋肉にアプローチするようなやり方を紹介します。

例えば巻き肩の方や肩に症状を出しやすい方は、姿勢が悪くなっていて、特に肩が内側に巻いているケースが多いです。

巻き肩が起こる原因は、前の筋肉や前の組織が硬くなって前に縮こまっていることです。

 

その場合、縮こまっている前の組織を緩めてあげると巻き肩が解消されて肩の動きもスムーズになりやすいです。

そのため、今回紹介する前側のアプローチはとても大切です。

ぜひ真似してみてください。

 

◎大胸筋を緩めるストレッチ

~手順~

①痛い肩の前側(胸と脇の境目)を手で軽く掴む。

 

②肘を軽く90度くらいに曲げ、外側に10回程度動かします。

 

③肘を少し上げ(肩が痛い方は痛くないところまで上げてください)、後ろの方に少し動かします。

手が後ろに倒れるような感じです。

 

④後ろにしっかり引きます。

筋肉はきちんと握ったままにしてください。

この時は後ろに倒すのではなく、後ろに引いてください

胸を開くような感じで押さえた状態で、10回動かします。

握る場所を少し変えて2、3回やってもらっても大丈夫です。

この動作を3か所(鎖骨に近い部分、脇の中央、下側)に分けて行うと効果的です。

 

◎鎖骨の動きを改善するストレッチ

鎖骨には胸鎖乳突筋という筋肉がついています。

この筋肉が硬くなると鎖骨の動きを邪魔してしまうので、この筋肉も一緒に緩めていく方法です。

 

~手順~

①喉仏の下のくぼみから鎖骨に沿って指を当て、軽く押さえる。

(喉をぐっと押してしまうと苦しいので気をつけてください。)

 

②鎖骨の上を押さえたまま、上から少し下に向かって軽く押し付けます。

首を反対側に動かしていただくと筋肉に引っ張られて骨が上に上がってこようとするので、それを少し指で押さえているような感じです。

(抑えるのはどちらの手でもいいです。)

これも、10回ほど首を横に動かしてください

筋肉がギュッと収縮する感覚が分かると思うので、そこも少し押さえつつ行ってください。

 

③鎖骨を押さえたまま、手をぐーっと上げてください。

これも10回くらい行ってください。

(痛みがある方は、痛みが出ないところまで上げてください。)

これでOKです。

実践のポイント

痛みの範囲内で無理せずに行ってください。

1日3回(朝・昼・晩)を目安に継続します。

・少なくとも2〜3週間、毎日続けます。

 

 

今回やっていただいたように大胸筋を緩めてあげると、巻き肩が少し解消されます

鎖骨部分の胸鎖乳突筋を緩めていただくと、鎖骨が動きやすくなります

 

これでもう一度腕を上げてみてください。

先程引っかかっていた感じと比べてみてどうでしょうか。

うまくできていたら大なり小なり動きが軽くなっていたり、引っかかりがマシになっていたり、痛みがマシになっていたりする可能性があります。

筋肉だけが問題の方の場合は、今回のケアだけでも軽減する可能性が高いです。

 

改善が見られない場合は?

これらのセルフケアを2〜3週間行っても症状が改善しない場合、筋肉以外の問題(靭帯損傷や関節の異常など)が原因となっている可能性があります。

その場合は、早めに整形外科や治療院で専門家の診察を受けることをおすすめします。

 

 

最後に

いかがでしたか。

肩のインピンジメント症候群は、正しいなセルフケアと継続的な取り組みで改善が期待できます

今回ご紹介したストレッチやケアを、日々の習慣に取り入れてみてください。

健康な体を目指して、一緒に頑張りましょう!

 

動画では、セルフケアの詳しい方法を解説していますので、ぜひご覧ください。

セルフケアは、4分54秒~ご紹介しております。