皆さんこんにちは。
京都市北区にあります「もり鍼灸整骨院」院長の森です。
今回のテーマは「肩の痛みを改善する方法」です。
肩の痛みには、四十肩・五十肩をはじめ、慢性的な痛みや怪我による痛みなど、様々な原因があります。
・思い当たるきっかけはないけれど肩の痛みが出ている
・それによって肩が上がりづらくなってきた
・最近肩の動きが悪くなってきた
と感じる方も多いと思います。
今回は、そんな肩の痛みや肩が上がりにくくなってきた、動きにくくなってきたという方のためのセルフケアの方法をお伝えしていこうと思います。
~セルフケアの前に:重要な注意点~
まず、セルフケアを始める前に大切な注意点があります。
四十肩・五十肩でお悩みの方、いわゆる拘縮型と言われる症状でお悩みの方は、症状の時期というのがあります。
四十肩・五十肩には、炎症期・拘縮期・回復期と言われる3つの時期があります。
~炎症期の方はストレッチNG~
炎症期というのは、寝ていても肩が痛い・じっとしていても痛い・日常生活で普通に過ごしているだけでも肩が痛いという炎症の症状が見られる時期です。
・この時期にはストレッチを行わない方がいいです。
・この時は安静にするのがベストの選択です。
・この時期に無理に動かす、運動してしまうと炎症の期間が長引く。
・その後の治癒過程も遅らせてしまい、治りを遅くしてしまう。
寝ていても痛い、安静にしていても痛い、日常生活を普通に送っていても痛いという方は、今回のストレッチはご遠慮ください。
このような時期を過ぎて、安静にしていれば大丈夫、夜寝ていても大丈夫という状態になってきたら、今回のブログを参考にしてみてください。
肩が痛くなるメカニズム

~肩の構造と動きの仕組み~
まず、肩というのは、この肩甲骨と上腕骨という骨からなっています。
腕を上げる時には、上腕骨が上に動いていきます。
上腕骨が動くのと同時に、肩甲骨も一緒に外転と言い外に開いていきます。
この両方が合わさって、肩が180度上がっていきます。
この時に、上腕骨というのは、だいたい120度ぐらいまで上がっていきます。
180度上がるというのは上腕骨だけではなく、120度ぐらい腕が上がってきたら、残りの60度ぐらいはこの肩甲骨の動きで肩を挙上していきます。
~肩甲骨が硬いと肩を痛める~
つまり、もしこの肩甲骨が硬くて動かなくなってしまうと、上腕骨(腕の骨)ばかりで動かないといけなくなるので、上腕骨に過度な負担が掛かり、肩周りの筋肉にものすごく負担がかかってしまいます。
それが原因で肩を痛めている方がすごく多いのです。
~肩甲骨の可動域を良くすることが重要~
肩の痛みを改善するためには、この肩甲骨の周りの筋肉を柔らかくして、肩甲骨が自由に動けるような可動域が必要になってきます。
今回お伝えするセルフケアというのも、この肩甲骨の可動域を良くするためのストレッチです。
・四十肩・五十肩などの痛みでお困りの方
・インピンジメント症候群(肩の衝突、この肩甲骨と上腕骨の間で筋肉が衝突してしまうという病態)
・腱板損傷と言い、肩周りの奥の方についている筋肉(いわゆるインナーマッスルと言われる筋肉)が損傷を起こしている病態
などに対して、上腕骨ばかりの運動を行うと、かえって悪くなります。
そこで今回は、その上腕骨はあまり動かさずに、肩の関節に負担をかけずに、肩甲骨を動きやすく柔らかくしていく方法をお伝えします。
今回行うセルフケアは2つです。
①大胸筋と言われる胸の前の筋肉
②広背筋と言われる背中から肩にかけての筋肉
この2つの筋肉を柔らかくすることで、肩甲骨の動きが良くなっていきます。
~大胸筋のストレッチ~

~大胸筋を緩めるpart1~
大胸筋=胸の前の筋肉
①わきの下に手を入れて大胸筋を掴み、大胸筋を掴む時に腕は軽く体の前に持ってくる。
肩の位置が上がると痛い場合もありますので、90度より下でOKです。
②大胸筋を掴みながら肘を下げる。
③肘を下げて腕を横に伸ばします。
(大胸筋を握っている手は緩めない)
※このストレッチでは肩の関節は大きくは動かないので痛みが助長されることはありません。
④10回繰り返す。
(抑えている所が痛い方は場所を変えましょう)
~大胸筋を緩めるpart2~
①肘・腕を横に伸ばしたまま大胸筋を掴む。
②腕は地面に付けたまま肘を曲げる。
③大胸筋を掴みながら腕を上に動かす。
※肩が痛い方は無理をせず出来る範囲で行いましょう。
④10回動かす。
~広背筋のストレッチ~

次に広背筋のストレッチをしていきます。
脇の後ろに壁を作っている筋肉が広背筋です。
~広背筋を緩めるpart1~
①広背筋を掴む。
②広背筋を掴んでいない方の腕は反対側の方に手を置く。
※肩が上がらないように注意
③親指でしっかり筋肉をおさえる。
④掴んでいない方の肘を上下に軽く動かす。
(痛みの出ない程度で)
⑤広背筋が押されている方の肘を横に動かす。
⑥この動きを10回行う。
~広背筋を緩めるpart2~
①肘を曲げたままで、上に腕を上げる。
(できる範囲で腕を上に向けて伸ばす)
手を床につけたまま行うと肩関節への負担が減ります。
~広背筋の掴み方~
①肩甲骨を確認してもらい、後ろの方も筋肉をつまむことができると思います。
②前の筋肉をつかむのが大胸筋で、今度は脇の後ろ辺りの壁を作っている広背筋という筋肉つまんでもらいます。
③腕は、反対側の胸の上に置いていただきます。
できる範囲で結構です。
肩甲骨の脇の後ろ側の辺りをだいたいグッと掴んだら広背筋に当たるので、あまり難しくは考えなくてOKです。
この時に、肩が上がらないように気をつけてください。
そして、親指(自分の親指)でしっかりと筋肉を押さえるような形を作っていただいたら結構です。
~ストレッチの方法①~
①広背筋をつまんだまま肘を曲げ、肘を上下に軽く動かす。
痛みがそんなにきつく出ない程度でOKです。
②今度は広背筋が押されている方の肘を横に動かす。
肩の関節があまり痛くない程度で、広背筋を押さえている親指に刺激が加わるようなイメージで行う。
③この動きを10回行う。
~ストレッチの方法②~
①これができたら、今度は肘を曲げたままで少し上に手を上げる。
この時床に手が付く状態で上にスライドさせながら上げるようにしてください。
②可能な範囲で、肘をグーッと軽く伸ばす。
※肘を曲げ、床に手をつく、これがすごく大事で、浮かせた状態で行うと結構肩の関節に重みや負担がかかるので、可能な限り手をつけた状態で行ってください。
また、上に上げていくと、肩の関節の負担が少なく、しっかりと広背筋を伸ばすことができます。
③この時に、握っている手は緩めないようにしっかり握った状態で行う。
④この動きを10回行う。
これは肩がちょっと痛くてできない方は無理しないでください。
肩が痛くてできない方は、肘を曲げて少し上下に動かす、これだけでOKです。
どちらか、もしくはできる方は、両方とも10回ぐらい行ってください。
これが広背筋のストレッチです。
ストレッチ後の確認
ストレッチが終わった後、もう一度ちょっと肩を少し前後左右に動かしてみてください。
先ほどより動きやすくなっている方がほとんどだと思います。
注意点のまとめ
※注意点として、痛いのを我慢しながら行う必要は全くありません。
痛みのない範囲で行ってください。
そして、四十肩・五十肩の急性期(炎症期)の方は、無理して行わずに、急性期が過ぎてから行ってください。
詳しくは動画をご覧ください⇩
最後に
いかがでしたか。
今回は、肩が上がりにくい、動きにくいという方に行っていただきたいセルフケアの方法をお伝えさせていただきました。
なかなかセルフケアだけで全てのお悩みを解決することはできないという方も多いと思います。
そのような方は、お近くの治療院さんに行かれたり、京都や近隣にお住まいの方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院にご相談いただければと思います。
肩の痛みでお困りの方は、お気軽にもり鍼灸整骨院までお越しください。
皆様の健康をサポートさせていただきます。
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(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)



