夜中に足がつって眠れない方に知ってほしい原因と日常でできる対処法

 

はじめに

ぐっすり眠っていたはずなのに、突然ふくらはぎに走る激痛で目が覚める。

そのまま痛みをこらえながら、ようやくおさまるまで布団の中でじっとしている。

そんな夜を経験されている方は、少なくないと思います。

当院に来られる患者さんの中にも、夜中に足がつって眠れない夜が続いているというお悩みをお持ちの方が少なくありません。

夜中に足がつる症状は、一般的にはこむら返りとも言われます。

痛みは数秒から数分でおさまることが多いものの、眠りを妨げる頻度が高くなると睡眠の質が落ち、日中の疲労感や集中力の低下にもつながります。

報告によれば60歳以上の6パーセントが毎晩こむら返りを経験しているともされており、決して珍しい悩みではありません。

このブログでは、夜中に足がつりやすい方が見落としがちな原因と、なぜ睡眠中に起きやすいのかというメカニズム、そして就寝前に取り組める具体的な予防ストレッチの手順をお伝えします。

繰り返す夜間のつりに悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

 

夜中に足がつって目が覚める方が見落としがちな原因とは

夜中に足がつる原因として多くの方がまず思い浮かべるのは、運動のしすぎ水分不足ではないでしょうか。

もちろんそれも原因のひとつですが、実は日常生活の中でほとんど意識されていない原因が、繰り返すこむら返りの背景に潜んでいることが非常に多いのです。

まず見落とされやすい原因のひとつが、筋肉の慢性的な疲労と柔軟性の低下です

腓腹筋(ひふくきん・ふくらはぎにある筋肉)ヒラメ筋(ひらめきん・ふくらはぎの深部にある筋肉)は、立つ・歩くといった日常のあらゆる動作に使われる抗重力筋(こうじゅうりょくきん・重力に対して体を支えるために常に働いている筋肉群)です。

運動不足が続くと筋肉量が落ち、わずかな日常動作でも疲労が蓄積しやすくなります。

筋肉量は20歳代を100とした場合、年齢とともに約10パーセントずつ低下し、60歳代以上では約60パーセント程度まで落ち込むとされており、この筋肉量の低下が夜間のつりやすさに直結しています。

次に見落とされがちなのが、ミネラルバランスの乱れです。

筋肉の収縮と弛緩は、カルシウムマグネシウムカリウムナトリウムといった電解質(でんかいしつ・体内でイオンとして働き筋肉や神経の機能を支えるミネラル)のバランスによって調整されています。

マグネシウム、カリウム、カルシウムなどの電解質は筋肉の収縮に関わっており、脱水や発汗に伴うミネラルの消失によって電解質が低下することもこむら返りの発生機序のひとつとされています。

中高年の方の中には、夜中のトイレを避けようと就寝前の水分補給を控える習慣がある方が多いのですが、これが知らず知らずのうちに脱水とミネラル不足を招き、足のつりを引き起こす原因になっているケースが少なくありません。

さらに、体のゆがみと血行不良の関係も見逃せません

骨盤腰椎(ようつい・腰の背骨)にゆがみがあると、下半身の特定の筋肉に偏った負荷がかかり続けます。

そのまま就寝すると、すでに疲弊した筋肉が夜間に異常収縮を起こしやすくなります。

当院で患者さんを診ていると、体のゆがみを整えることで夜間のこむら返りが起きにくくなったという方が多くいらっしゃいます。

水分補給やストレッチだけを試しても改善しない場合は、こうした体の根本的な状態を見直すことが重要です。

また、就寝時の冷えも大きな原因のひとつです。

夏場に冷房をつけっぱなしで寝たり布団をかけずに寝ると、足の筋肉が冷えて血管も収縮し、血行はさらに悪くなります。

こういった状態でイオンのバランスが崩れているときに、たまたま寝返りをうって筋肉に刺激が加わると、筋肉の細胞が暴走して過剰な収縮が発生しやすくなるとされています。

季節を問わず、就寝時に足元が冷えないよう気をつけることが、夜間のつりを防ぐうえで欠かせません。

 

夜中に足がつりやすくなるメカニズム

なぜ足のつりは、昼間より夜中の睡眠中に起きやすいのでしょうか。

この疑問に答えるには、睡眠中に体の中で何が起きているかを理解することが大切です。

就寝時には副交感神経が優位となり、筋肉が弛緩した状態になりますが、無意識の寝返りや体位の変化によって筋肉に過度な負荷がかかることがあります。

また、睡眠中は体温が下がりやすく、脚部の血流が悪化しやすいため、酸素や栄養素が行き届かなくなり、筋肉の異常収縮を招くことがあります。

さらに、寝ている間は水分補給ができず、日中に十分な水分やミネラルを摂っていないと脱水傾向が強まり、けいれんが起こりやすくなります。

特に見逃せないのが、仰向けで寝る姿勢と布団の重さの関係です。

仰向けで重い掛け布団を使うと足首の関節が伸ばされた状態になり、こむら返りが起こりやすくなります。

足首が伸びた状態(つま先が下を向いた状態)は、腓腹筋が縮んだままになりやすいため、そこに少しの刺激が加わっただけで筋肉が過剰に収縮してしまうのです。

加齢もメカニズムとして重要な要因です。

若いときより運動量が減っているため筋肉量が減少し、筋肉内の血行が低下する。

乳酸などの疲労物質が排出しづらくなり、末梢神経の興奮を抑えにくくなる。

その結果、筋肉の細胞が暴走しやすくなるという連鎖が、中高年以降に夜間のこむら返りが増える背景にあります。

また、頻繁に足がつる場合には、背景に注意すべき疾患が潜んでいる可能性もあります。

糖尿病による末梢神経障害脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)や腰椎の椎間板ヘルニアによる神経への圧迫、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう・足の静脈に血液が溜まってこぶのようになる状態)による血流障害などが代表的です。

のどの渇きが強い、足にしびれがある、歩いていると足が痛くて休まなければならないといった症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診してください。

就寝前に行うだけで足のつりを予防できるストレッチの方法

夜中の足のつりを防ぐために最も効果的なタイミングは、就寝前です。

体が温まっており筋肉が柔らかくなっているこの時間帯に、ふくらはぎと足まわりの筋肉をしっかりほぐしておくことで、睡眠中に筋肉が異常収縮を起こすリスクを大きく下げることができます。

ここでは今夜から取り組んでいただける具体的なストレッチの手順をご紹介します。

まず取り組んでいただきたいのが、

腓腹筋(ひふくきん・ふくらはぎの表層にある筋肉)のストレッチです。

壁の前に立ち、両手を壁につきます。

片方の足を一歩後ろに引き、後ろ足のかかとをしっかり床につけたまま、前膝をゆっくり曲げていきます。

後ろ足のふくらはぎが伸びる感覚が出たところで20〜30秒キープしてください。

反動をつけず、ゆっくりと行うことが大切です。

左右それぞれ2〜3セット繰り返しましょう。

このストレッチは膝を伸ばしたまま行うことで、腓腹筋の深部まで効果的に伸ばすことができます。

次に、ヒラメ筋(ひらめきん・ふくらはぎの深部にある筋肉)のストレッチです。

先ほどと同じ姿勢から、後ろ足の膝を少し曲げた状態でかかとを床につけたまま体重をかけます。

腓腹筋のストレッチとは異なり、より深い部分がじんわりと伸びる感覚があります。

20〜30秒キープして、左右それぞれ2〜3セット行ってください。

腓腹筋とヒラメ筋はどちらもふくらはぎを構成する重要な筋肉ですが、膝の角度を変えることで効かせる場所が変わるため、両方をセットで行うのが効果的です。

ベッドや布団の上でできるストレッチもご紹介します。

仰向けに寝た状態で、片方の足のつま先をゆっくり手前に引き寄せます。

タオルをつま先にかけて両手で引っ張ると、手が届かない方でも無理なく行えます。

ふくらはぎから足の裏にかけてが伸びる感覚を確認しながら、20〜30秒キープして左右交互におこなってください。

就寝直前に布団の中で行える手軽さが続けやすさにつながります。

ストレッチと合わせて、就寝前の習慣として取り入れていただきたいことがいくつかあります。

まず寝る前にコップ一杯の水を飲む習慣をつけてください

睡眠中は水分補給ができないため、就寝前の水分補給が夜間の脱水とミネラル不足を防ぐうえで有効です。

次に、足元の冷えを防ぐことも重要です。

夏場はエアコンの風が直接足に当たらないよう工夫し、冬場は靴下や湯たんぽで足元を温めてから眠るようにしてください。

また、仰向けで寝る際に重い掛け布団を使っている方は、足首が伸びた状態になりやすいため、軽めの掛け布団に変えるか、足の下に薄いクッションを置いて足首が過度に伸びないよう工夫することも試してみてください。

食事面では、カルシウムを多く含む乳製品や小魚、マグネシウムを多く含むナッツ類や豆腐、カリウムを多く含むバナナやほうれん草を意識して摂ることが、ミネラルバランスを整えるうえで助けになります。

毎日の食卓にこれらを少しずつ取り入れる習慣が、夜間のつりを起こしにくい体づくりにつながります。

 

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。

夜中に足がつって眠れない夜が続くことは、体にとっても心にとっても大きな負担です。

しかしその原因は、日常生活の積み重ねの中にあることがほとんどです。

原因を正しく理解したうえで、今日からできる対処を始めることが、繰り返すつりを防ぐための確かな第一歩になります。

今夜からぜひ、就寝前のストレッチを習慣にしてみてください。

腓腹筋とヒラメ筋のストレッチを左右丁寧に行い、コップ一杯の水を飲んでから布団に入る。

この小さな習慣の積み重ねが、体を着実に変えていきます。

ただし、毎晩のように足がつるしびれや脱力感がある日中にも足がつるという方は、もしかすると糖尿病脊柱管狭窄症下肢静脈瘤といった疾患が潜んでいる可能性もあります。

セルフケアだけで対処しようとせず、専門家に診てもらうことを強くお勧めします。

また、体のゆがみが原因で特定の筋肉に偏った負荷がかかり続けている場合も、ストレッチや水分補給だけでは根本的な改善はできません。

当院では体のゆがみを整える整体と、硬くなった筋肉に直接働きかける鍼灸を組み合わせた治療をおこなっており、夜間のこむら返りが起きにくい体づくりをともにサポートしています。

当院は完全予約制で、ご希望の日時にご予約が取れない場合もございます。

毎晩の足のつりに悩んでいる方は、早めにご予約をお取りください。

ぐっすり眠れる夜を取り戻しましょう。

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(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)

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