足のプロが教える「外反母趾が痛くならない靴の選び方」

みなさんこんにちは!
京都市北区にありますもり鍼灸整骨院の森と申します。
私が外反母趾の治療を専門的におこなうようになってからおよそ10年になります。
たくさんの患者さんを診てきた中で気がついたのですが、多くの方は外反母趾に対する間違った認識をお持ちです。
そこ今回はこれまでの経験からぜひみなさまに知ってほしい対処法や治療法というものをご紹介させていただきます。
きっとお役に立てると思いますので外反母趾でお悩みの方はぜひ最後までご覧くださいませ。

外反母趾とは


外反母趾とは、母趾、つまり足の親指の付け根の角度が15°以上曲がったものをいいます。
写真のような足は痛みがなくても十分治療の必要な足といえます。さらに親指の痛みの他にも様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
【起こりやすいトラブル】
足の甲や足裏の痛み
小指側の変形や痛み
指や足裏のタコ魚の目
足のむくみや巻き爪
膝や股関節の痛み

足の親指の変形の角度(外反母趾角、HV角)が20度以上になると何らかの治療が必要とされています。
それはなぜかというと、変形が20度を超えると、それ以降の進行が加速度的に進んでしまうからです。
角度が大きくなることで、親指で踏ん張りにくくなるので歩き方も悪くなり、歩き方が悪くなると、さらに外反母趾が進行しやすいという負のスパイラルになります。
この負のスパイラルになりやすくなる境目が20度であると私は考えています。
ですので角度が20度に満たない方はそうならないように、20度以上の方はそれ以上悪化しないための治療や予防が大切です。

外反母趾の原因(因子)は大きく3つ

外反母趾の要因は大きく以下の3つに分かれます。

⒈外的因子

外的因子とは体の外からの影響を受けるものです。例えば靴の問題や、生活環境、仕事環境などです。

⒉内的因子

内的因子とは体の中の問題を指しています。例えば歩き方や体の使い方の癖、体の歪みやバランスなども内的因子に含まれます。

⒊遺伝因子

遺伝因子とはもちろん家族遺伝のことで、ご両親や祖父母が外反母趾であった場合、その子供や孫が外反母趾になる可能性は、親祖父母が外反母趾でない人に比べて高くなる傾向があります。

多くの方が遺伝だから仕方ないと考えられているようですが、遺伝というのはこの3つの因子の1つでしかありません。
つまり遺伝以外の2つの因子「外的因子」「内的因子」にきちんとアプローチすることができれば、良くできる可能性は十分にあるということです。
外的因子と内的因子についてもう少し詳しく解説します。

外的因子になりえるもの

⒈合わない靴

これまで私のブログや動画でもご紹介してきたとように、足に合わない靴というのが最大の要因になります。
もちろんヒールやパンプスのように小さすぎる狭すぎる靴は圧迫され過ぎてよくないのですが、一番問題になっているのは大きすぎる靴です。
大きすぎる靴だと靴の中でぐらぐらと足が動いたり遊んでしまいます。そうすると靴がずれないように余計に力を入れることになりますし、摩擦やズレというものも大きくなり母趾の変形が助長されます。
足の親指の痛みでお悩みの方、成長期のお子さんなどは大きな靴を履きがちですが、できる限り足に合ったサイズの靴を選んでください。
正しい靴の選び方や靴の履き方については、最後に動画を添付しておりますのでぜひチェックしてみてください。

⒉運動不足や座り仕事

進行を防ぐには足の筋肉が重要な役割を果たします。
普段ほとんど運動しない方や、デスクワークや事務などの座り仕事をされている方は筋肉が弱くなりやすいので注意が必要です。成長期や学生時代の運動不足も、悪化させる要因の一つとなります。

⒊間違ったケア用品やグッズの使用

後述しますが、外反母趾の大きな要因(内的因子)の一つに「開帳足(かいちょうそく)」というものがあります。
これは足の筋肉や靭帯が緩み横アーチがつぶれた状態です。
外反母趾を改善するにあたりこの開帳足の改善が必須なのですが、例えば足の指の間にクッションを挟んだり、親指を外に広げるようなサポーターを使用するとかえって開帳足が助長されます。
このようなケア用品やグッズは数分間の使用であればストレッチ的な効果もあるかもしれません。しかし日中や夜間に長時間使用すると足の靭帯が緩み中足骨(ちゅうそくこつ)といわれる骨の間隔が広くなってしまいます。

よろしくないケア用品

 

主な内的因子

⒈開帳足(かいちょうそく)

先ほどもご紹介しましたが、足の横アーチが崩れ開帳足になることは危険因子の一つです。
ではなぜ横アーチが崩れるかというと、足の指をうまく使えていないので指と指の間の筋肉が弱くなってしまうからです。
特に「浮指」といわれるような指が浮いてしまっている人は足の指をうまく使えないので筋肉が弱くなります。浮指の方は足の荷重を計測すると指の色が薄くなったりひどい人は映らなかったりします。(写真)

⒉悪い姿勢

外反母趾になる方の多くが姿勢の悪さも併せ持っています。
特に浮指になっている人の姿勢は「後方重心」といって後ろ側に体重をかけ、上半身だけが前にかがむ猫背のよう姿勢になっています。
実際に試してもらえばわかりますが、体重を思いっきり後ろにかけて立つと足の指が地面から離れて浮いてくるのがお分かりになるでしょう。

⒊特長的な歩き方

外反母趾の方はある特徴的な歩き方をしています。
普通、歩くときというのはかかとから足をついて親指の腹で地面を蹴って歩きます。ところが外反母趾の方はかかとから足をついた後、親指の腹ではなく母指球(親指の付け根)あたりで地面を蹴っています。
これは「過回内足(かかいないそく)」といわれる足がねじれた状態になっている人に特徴的な歩き方でもあります。
このような方は足をついたらすぐに足が内側に倒れるので親指まで体重をかけることができずに母指球辺りで地面を蹴り、その力で親指もねじれるように変形してしまいます。

過回内足(かかとのねじれ)
過回内足は母指球で地面を蹴ってしまう

主な内的因子はこの3つです。開帳足、姿勢の悪さ、歩き方の悪さがあると足の指をうまく使えずに足の筋肉が弱くなり足の変形をきたしてしまいます。

ここまでブログを読んでくれた方ならおわかりでしょうが、このように外反母趾を改善するポイントというのはたくさんあります。

当院の外反母趾治療

外的因子に問題があるのか?または内的因子に問題があるのか?それともそのどちらにも問題があるのか?その原因を見極めてアプローチすればみなさんのお悩みが解決できる可能性は十分にあります。

当院では正しい姿勢や歩き方になるように整体治療やテーピング治療をおこない、正しい靴選びや靴の履き方を指導することでみなさまのお悩みを解決しています。
詳しい治療の内容は当院の外反母趾治療のページを貼り付けておりますのでそちらをチェックいただくか、治療の方法を解説している動画があるのでそちらをチェックしてみてください。

外反母趾治療を受けるにあたって

当院でおこなう外反母趾治療は、変形を治すのが治療の第一目的ではありません。
外反母趾といってもお悩みは人それぞれですが多くはこの3タイプに分かれます。

①痛みでお悩みの方
③進行を予防したい、もしくは外反母趾による膝や股関節などトラブルを解決、予防したい方
②痛みはないが変形を治したいと思われている方

このうち①と②でお悩み方であれば十分にお力になれます。
ただし③の変形を治したいというお悩みは必ずしも解決できるわけではありません。変形の高度な方や、変形の種類によっては変形が改善できないものあります。

見た目だけを気にされる方は美容整形と同じように手術を受けるべきかもしれません。
ただし足が変形した根本的な要因が改善されていなければ、また悪化する可能性がありますのでその辺りはよく考えましょう。
足の痛みは手術をしなくても十分によくなりますし、変形を悪化させるような体のバランスを改善すれば膝や股関節の痛み、その他足のトラブルも十分に改善予防できます。

外反母趾でお悩みの方は、ぜひこの機会に足のトラブルとどのように向き合っていくのか考えてみてください。

≪外反母趾治療専用ページはこちら≫

https://mori18.com/cure/seitai/gaihanboshi

≪正しい靴の選び方履き方の動画≫

ご質問やお問い合わせはLINEでも承っております。

 

お悩みの方はぜひご相談ください。

 

(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です