はじめに
今日こそは頭が痛くなりませんようにと祈るような気持ちで朝を迎え、予兆を感じた瞬間に慌ててカバンの中の薬を探す日々を過ごしていませんか。
ズキズキと脈打つような痛みが始まると、仕事も家事も手につかなくなり、暗い部屋でじっと嵐が過ぎ去るのを待つしかない、そんな孤独で辛い時間を今までどれだけ過ごされてきたことでしょう。
「このまま一生、薬を飲み続けなければならないのだろうか」「いつか薬が効かなくなったらどうしよう」という漠然とした不安は、痛みそのものと同じくらいあなたの心を重くしているはずです。
まず最初にお伝えしたいのは、あなたが感じているその痛みは、決してあなたが弱いからでも、我慢が足りないからでもないということです。
体からの必死のサインなのです。
これまで多くの患者様を診させていただきましたが、偏頭痛に悩む方の多くは、真面目で責任感が強く、知らず知らずのうちに無理を重ねてしまっていることがよくあります。
薬で痛みを一時的に抑え込むことは、急場をしのぐ手段としては必要ですが、それは火災報知器の音を止めているだけで、火元である「痛みの原因」は燃え続けているのと同じ状態です。
このブログでは、薬でごまかすのではなく、あなたの体が本来持っている回復力を取り戻し、偏頭痛が起こりにくい体へと変えていくための「体質改善」についてお話しします。
長年の悩みから解放されるための第一歩を、私と一緒に踏み出してみましょう。
薬が効かなくなる恐怖から解放されるために知っておくべき
偏頭痛の本当のメカニズム

なぜ、あなたの頭痛は繰り返されるのでしょうか。
そして、なぜ飲み続けている薬の効き目が悪くなってきているように感じるのでしょうか。
それを理解するためには、偏頭痛が起こる体の仕組み、つまりメカニズムを正しく知る必要があります。
偏頭痛の多くは、脳の血管が急激に広がることで、周囲の神経が刺激されて起こると言われています。
しかし、ここで重要なのは「なぜ血管が急激に広がる必要があったのか」という背景にある体の事情です。
実は、慢性的な頭痛に悩む方の多くは、普段から血管が収縮して血の巡りが悪い状態が続いています。
ストレスや緊張で体がギュッと縮こまっている状態です。
その反動として、リラックスした時や気圧の変化などのきっかけで、体が無理やり血を流そうとして血管を一気に広げてしまうのです。
また、痛み止めを頻繁に服用していると、脳が痛みに敏感になり、少しの刺激でも強い痛みを感じてしまう「薬剤の使用過多による頭痛」を引き起こしている可能性もあります。

これは非常に辛い悪循環です。
根本的に解決するためには、血管の収縮と拡張のコントロールをしている「自律神経」の働きを整えることが不可欠です。
自律神経とは、自分の意思とは無関係に内臓や血管の働きを調整している神経のことです。
このバランスが崩れていると、体温調節や睡眠の質も低下し、頭痛の引き金となります。
痛み止めはあくまで「その場の痛み」への対処ですが、私たちが目指すべきは、痛みの火種を作らないための「体の中の環境づくり」なのです。
毎日の食事が引き金になっているかもしれない
血糖値の乱れと水分不足を見直す方法

私たちが口にするものは、そのまま私たちの体を作り、神経の働きに直結しています。
「頭痛と食事なんて関係あるの?」と思われるかもしれませんが、実は非常に密接に関わっています。
特に注意したいのが「血糖値の急激な変動」です。
空腹時に甘いものを食べたり、食事の間隔が空きすぎたりすると、血糖値が急上昇した後に急降下します。
この「血糖値スパイク」と呼ばれる乱高下が起きると、脳はエネルギー不足を感じ、体を守ろうとして血管を操作するため、頭痛が引き起こされやすくなるのです。
忙しいからといって朝食を抜いたり、菓子パンだけで済ませたりしていませんか。
また、意外と見落とされがちなのが「水分不足」です。

体の中の水分が不足すると、血液がドロドロになり、血の流れが悪くなります。
すると、脳への酸素や栄養の供給が滞り、頭痛の誘因となります。
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは一時的に血管を収縮させて痛みを和らげることもありますが、利尿作用によって水分を体外に排出してしまうため、飲み過ぎは逆効果になることがあります。
体質を改善するためには、まずは「お水」をこまめに飲む習慣をつけましょう。
一度に大量に飲むのではなく、コップ一杯の水を一日に何度も飲むイメージです。
そして、食事ではマグネシウム(海藻やナッツ類に含まれるミネラル)やビタミンB2(レバーや卵に含まれるビタミン)を意識して摂ることで、神経の興奮を鎮め、ミトコンドリア(細胞の中でエネルギーを作る器官)の働きを助けることができます。

日々の小さな積み重ねが、痛みにくい体を作る土台となります。
姿勢の悪さが招く自律神経の乱れを整えて
首や肩の緊張を根本から緩めるアプローチ

現代の生活において、スマートフォンやパソコンは手放せないものですが、その画面を見ている時のご自身の姿勢を思い出してみてください。
頭が前に突き出し、背中が丸くなっていませんか。
この姿勢は、頭の重さを支える首や肩の筋肉に凄まじい負担をかけ続けています。
特に、後頭下筋群(頭の後ろの下にある筋肉の集まり)や、僧帽筋(首から背中にかけて広がる大きな筋肉)、胸鎖乳突筋(耳の後ろから鎖骨に向かって伸びる首の横の筋肉)がガチガチに固まることで、頭へと続く血流や神経を圧迫してしまいます。
首の骨である「頚椎(けいつい)」の周りには、自律神経の重要な中継地点が集まっています。
そのため、首や肩のコリは単なる筋肉の疲労にとどまらず、自律神経の乱れを直接的に引き起こし、偏頭痛の大きな原因となるのです。

「マッサージに行ってもその時しか良くならない」と感じるのは、表面的な筋肉だけを揉んで、骨格の歪みや深層の筋肉の緊張が取れていないからかもしれません。
自宅でできるケアとしては、無理に首を回すのではなく、肩甲骨(背中にある羽のような骨)をしっかりと動かすことが大切です。
肩甲骨を寄せるように胸を開くことで、自然と頭の位置が正しい場所に戻りやすくなります。
また、入浴時にはシャワーだけで済ませず、湯船に浸かって深部体温(体の中心の温度)を上げることで、筋肉の緊張が解け、副交感神経(リラックスする神経)が優位になります。
姿勢を正すことは、見た目を良くするだけでなく、あなたの脳と体を守るための最も基本的な治療法の一つなのです。
まとめ
ここまで、薬に頼らずに偏頭痛を根本から解決するための考え方についてお話ししてきました。
痛み止めが手放せない不安、いつ襲ってくるかわからない痛みへの恐怖、それは本当に辛いものです。
しかし、その痛みは体があなたに「もう無理をしないで」「生活を見直して」と訴えかけているメッセージでもあります。
メカニズムを理解し、食事や水分摂取を見直し、姿勢と自律神経を整えていくこと。
これらは地道な道のりに思えるかもしれませんが、確実にあなたの体を変えていく一番の近道です。
体質改善は一日や二日で成し遂げられるものではありません。
今まで何年もかけて積み重ねてきた負担を取り除くには、それなりの時間と正しいアプローチが必要です。
もし、ご自身でのケアに限界を感じたり、痛みが長引いて日常生活に支障が出ているようであれば、一人で抱え込まずに専門家の手を借りることを強くお勧めします。
体の歪みや自律神経の状態を客観的に診てもらい、あなたに合った治療計画を立てる
痛みから解放されて、朝スッキリと目覚め、痛みを気にせずに仕事や趣味に没頭できる日々を取り戻しましょう。
あなたの体は、変わろうとする力を必ず持っています。
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(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)



