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坐骨神経痛の原因とは

今回は、坐骨神経痛についてお話しさせていただきます。
足がしびれてしまう、痛くなってしまうなど、坐骨神経痛でお悩みの方は非常に多いですよね。
本当に日常生活に支障をきたす、つらい症状だと思います。
当院にも坐骨神経痛でお悩みの方から多くご連絡をいただくのですが、
実はほとんどの方に共通するポイント・原因があります。今回はそれをご紹介していきたいと思います。
結論から言うと、坐骨神経痛の原因は、多くの場合「股関節の硬さ」にあります。
特に「股関節の内旋」——股関節を内側にねじるような動き——
この内側にねじる動きが硬くなっていると、坐骨神経痛を引き起こしやすくなります。
股関節が内旋するというのは、太ももが内側にこう動く動きのことです。
この股関節の内旋という動きが硬くなっている方は、
相対的に股関節が外旋(外側に開く方向)しやすくなっている傾向があります。
例えば、寝ている時に両足を揃えると片方だけが外側に倒れてしまうとか、
坐骨神経痛の症状が出ている側が外側に倒れやすいという傾向が、多くの方に見られます。
股関節の内旋という動きが硬くなっていると、坐骨神経の通り道にある筋肉が硬くなって
神経の流れを邪魔してしまいます。また、神経の近くには足に向かう血管も通っているため、
その血管も締めつけてしまい、足の血流が悪くなります。
この股関節の状態を改善していくことができれば、多くの場合、坐骨神経痛は良くなっていきます。
自分でできる坐骨神経痛のチェック方法

では実際に、ご自身の股関節がどうなのか、簡単なチェックをしてみましょう。
立ったままでもできますので、ぜひお試しください。
【チェックの手順】
- 壁に手を触れてグラグラしないよう安定させ、片足立ちになります。
- 軸足の膝を軽く保ちながら、反対の膝を曲げて足を持ち上げます。
- 持ち上げた足を、正面から見てぐーっと横方向(外側)に回すように動かしてみてください。体もやや一緒にひねっていただいて大丈夫です。
この時に見ていただきたいのは、軸足(地面についている側)の股関節が正しく内旋できているかどうかです。
動かしている方の足ではなく、止めている方の股関節が正しく内旋しているかを確認します。
骨盤がぐっと回転するのに対して、軸足の股関節はまっすぐ正面を向いたまま——つまり骨盤が動くことで、
軸足側の股関節が相対的に内旋している状態になるわけです。
足を持ち上げたら、軸足の股関節を中心にぐっと体を回すようなイメージで、
足の裏全体をしっかり地面につけたまま動かしてみてください。
この時、足の裏の外側だけに体重がかかったり、膝が曲がったりしないように注意してください。
この動きで足が正面から約90°くらいまで回れば問題ありません。しかし、
- 90°まで動かせずに途中で止まってしまう
- ほとんど動かない
- 動かそうとするとグラグラしてしまい、その体勢自体が取れない
という方は、股関節が正しく動いていない可能性があります。
多くの方は、症状が出ている側の足で立って動かしてもらうと「動かしにくいな」と感じると思います。
坐骨神経痛になる人の歩き方の特徴

立った状態でこのチェックをすることには、臨床的にとても重要な意味があります。
股関節の内旋という動きは、歩き方に直結するからです。
股関節の内旋がうまくできない方、内旋した状態でバランスを保てない方は、
歩いている時に股関節をうまく使えていないということになります。
股関節の内旋がうまくいかない方は、相対的に外旋しやすくなっています。
わかりやすく言えばガニ股のような状態ですが、見た目はガニ股でなくても、
股関節だけが外旋してしまっているという方も多くいます。
股関節が外旋すると体重移動がスムーズにできなくなります。
歩く時に右足から左足へと体重が移動することを「体重移動」と言いますが、
これがうまくいかないため、歩き方に支障が出るのです。
実際に試してみると分かりやすいと思いますが、わざと股関節を大きく外旋させた状態で歩いてみてください。
大股で足を踏み出せなくなるはずです。前にも踏み出しにくいし、後ろに体重を残すような感覚もなくなってしまいます。
これは、股関節を外旋させることで股関節がロックされてしまうからです。
動かなくなって、ガチガチになってしまうんですね。そのため、股関節が外旋している側は、
歩いている時に筋肉に余計な負担をかけながら歩くことになります。
その結果、さらに筋肉が硬くなって、神経や血管の通り道を阻害してしまうことになります。
逆に、あえて内股を強調した状態で歩いてみてください。外旋して歩くよりはまだ歩きやすいと感じるはずです。
普通に歩くよりは歩きにくいですが、股関節を外旋させて歩くよりは、内旋している方がまだスムーズに歩けます。
また、股関節を外旋させて歩く場合、股関節の動きが制限されるため、
腰や上半身を大きく振らないとバランスが取れません。体を横に振りながら歩くことで、
外旋した状態でも足を前に出せるようになるのですが、その分腰への負担が大きくなります。
腰が原因の坐骨神経痛や腰痛のリスクも高まるのはそのためです。
坐骨神経痛を根本から改善するために

この股関節の動きや使い方を改善していくことが、坐骨神経痛を根本的に解消していくために大切なポイントです。
こうした問題が明らかな方は、まずは治療院で治療を受けていただくのが一番です。
というのも、坐骨神経痛は急性期から慢性期まで症状の幅が広く、状態によって対処法が変わるからです。
- 急性期(症状が強い時期):神経が過敏になっているため、ストレッチや体操をやりすぎると余計に症状が悪化したり、一時的にひどく痛くなることがあります。炎症を起こしている場合もあるため、傷口を広げてしまうような状態になりかねません。無理は禁物です。
- 慢性期(長期間続いている場合):症状が凝り固まってしまっているため、セルフケアだけで改善するのはなかなか難しいのが実情です。
- その中間の時期:セルフケアや体操で改善できる可能性があります。例えば、股関節の内旋が硬いのであれば、内旋を改善するためのセルフケアを取り入れることが一つの方法です。
坐骨神経痛に効くストレッチ(股関節内旋の改善)
ここからは、改善できる可能性のある方に向けて、股関節の内旋を改善するセルフケアをご紹介します。
ストレッチ① 膝を伸ばしたバージョン
1.地べたに座り、片方の足を横に伸ばします。もう片方の膝は弧を描くように曲げます。
症状がある側(例:右側)の股関節の内旋を改善するために行います。

2.伸ばした足のつま先を、正面方向に向けます。
こうすることで股関節がぐるっと内旋していきます。

股関節の動きが硬い方は体が少し横に倒れても大丈夫です。
3.股関節のあたりに軽く手を当てながら、症状がある側とは逆の方向にゆっくり体を傾けてください。

内ももが伸びている感覚があればOKです。
膝が曲がりすぎると股関節の動きがうまく出ないので、膝を伸ばしたまま内側に動かしながら
体を少し傾けるイメージで行いましょう。
これを20〜30秒キープします。
ストレッチ② 膝を曲げたバージョン
1.ストレッチ①の後、伸ばしていた膝を約90°に曲げます。

2.その足をなるべく後ろに引くようなイメージで配置し、体をまっすぐに起こします。

3.そのままゆっくりと外側に体を傾けてください。20〜30秒キープします。

体が硬くてポジションが取れない方向けの代替ストレッチ
上記のポジションが取りにくい方は、足を開いて座り、症状がある側の膝を内側に倒すだけでも大丈夫です。

- 右側に症状がある場合、右の膝を内側にぐーっと倒していきます。
- この時、お尻が浮かないよう地面につけた状態で足が内側に倒れていくのが理想です。
- この動きも股関節を内側にねじる動きになり、重要な筋肉のストレッチも同時にできるのでおすすめです。
ストレッチの目安
- **左右とも行ってください。**症状がある側だけでなく、両側均等に行うことが大切です。
- 1セット20〜30秒、左右交互に2〜3回が目安です。
- 時間に余裕がある方は、朝・昼・晩と1日3回行っていただくのが理想です。
ストレッチが終わったら、最初のチェック動作(片足立ちで体をひねる動き)をもう一度試してみてください。
ストレッチ前よりも動きやすくなっているかどうか、ぜひ確認してみてください。
まとめ
坐骨神経痛の原因として多いのは、股関節の内旋の硬さです。
この部分を改善することで、神経や血管への圧迫が解消され、症状が改善される可能性は十分にあります。
ただし、急性期の強い症状や、長期にわたる慢性的な症状については、
セルフケアだけで簡単に解消するものではありません。
ご自身で試してみて改善が見られない場合や、症状が強い場合は、
無理をせず専門家に相談しながら取り組んでいただくことをおすすめします。
坐骨神経痛でお悩みの方は、ぜひ一度もり鍼灸整骨院にご相談ください。お一人おひとりの状態に合わせた治療で、根本からの改善をサポートいたします。
動画で詳しく解説しています!
▼今回の内容を動画で詳しくご覧になりたい方はこちら
(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)



