こんにちは!
京都市北区 北野白梅町 円町 もり鍼灸整骨院の森です。
先日、腰痛で通院中の患者さんにこのような質問をされました。
「椎間板ヘルニア専門の治療って何するんですか?」
どうやら、当院に来られる前は様々な治療院のサイトをみていたそうで、その中に「ヘルニア専門!」とうたっている整体院か整骨院があったそうです。
患者さんいわく「ヘルニアを特別に治す治療があるんだ!」と思ったそうです。
結論から言うと椎間板ヘルニアを特別に治す治療は手術しかありません(^_^;)
少し椎間板ヘルニアの説明をさせていただきますと、
骨と骨の間には椎間板といわれる骨同士の接着とクッション機能を担う軟骨があります。
その椎間板の中には髄核(ずいかく)と言われるゼリー状の内容物があります。
この椎間板が変形したり、髄核が椎間板内から漏れ出して神経を圧迫したものを椎間板ヘルニアといいます。
椎間板ヘルニアを治すということは、この椎間板の変形や、漏れ出た髄核を取り除かなければなりません。
つまり手術しか方法がないということです。
でもほとんどの場合は手術なんか必要ありませんよ!
ヘルニアはほとんどの場合、3か月以内に治ってしまいます( ̄▽ ̄)
ヘルニアは体内に3か月ほどで吸収されるからです。
でも、ヘルニアと診断されてから3か月以上腰痛が続いているという方もいらっしゃるでしょう。
それもそのはず。その方の腰痛の原因はヘルニアではないからです。
腰痛の無い健康な人の4人に3人はヘルニア持ち
まずはこちらをご覧ください。
椎間板ヘルニアと診断された強い腰下肢痛を訴える患者46名と、年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRIで比較した結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が確認された。http://1.usa.gov/iN3oKG
このデータからすると、なんと腰痛の無い健康な人の4人に3人はヘルニアを持っているということになります。
これは腰痛研究のノーベル賞と言われる世界的な賞をもらった研究ですので、疑いようのない真実です。
では一体何が腰痛の原因なのか?
ヘルニアと診断されてから3か月以上腰痛が続く方は、筋肉や靭帯、筋膜などに腰痛の原因があります。
これは治療する側からしたら当たり前のような話すですが、「ヘルニア」という言葉が脳裏にこびりついた方には理解しにくいことかもしれませんね。
筋肉などの原因があれば、当然きちんと治療をおこなえば腰痛は治ります。
「椎間板ヘルニア専門」とうたっている治療院もそのことを知っていると思いますので、
筋肉が原因ということを患者さんに告げなければ、
患者さんは「ヘルニアを治してもらった!」と勘違いされます。
まぁ治れば何でも良いのでしょうが、間違った認識を患者さんに与えてしまうことは良いことだとは思いません( ̄▽ ̄)
つまり椎間板ヘルニア専門治療院は、
ヘルニア専門といいつつ、普通に筋肉などの治療をしているということです。
患者さんを集めるためにわざと専門性をうたっているんですね。
「治れば良い」という考え方もあるのでしょうが、僕はこの考え方は危険だと思っています。
なぜなら、間違った理解をすると間違った治療を選択してしまうからです。
もし椎間板ヘルニア専門院で、あなたの腰痛の原因はヘルニアからですよと言われ、
治療をおこなうものの腰痛が改善しなければ、あなたはヘルニア治療の最終手段である手術しか選択肢がないと判断されてしまうかもしれません。
筋肉やその他の所に腰痛の原因があると知っていれば、治療法を変えることもできるかもしれませんし、ご自身で腰痛を治す努力だってできるかもしれません。
もしもヘルニアが原因で腰痛が起きていると勘違いしてしまったら、いたずらに手術を受けるという選択をしてしまうことになるかもしれないのです。
腰痛治療のおいて最も大切なことは、症状の原因を正しく理解して、正しい治療を選択すること。
今やインターネットでどんな情報でも手に入る時代ですが、全てが正しい情報でないことを頭に入れておかなければなりません。
ちなみに、質問をされた患者さんですが、病院でヘルニアと診断された1か月後には楽しく野球をされています。
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お悩みの方はぜひご相談ください。
(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)