皆さんこんにちは。
京都北区にあります、もり鍼灸整骨院院長の森です。
今回は背中の痛み、特に肩甲骨の内側、背骨と肩甲骨の間のちょうどこの辺りが辛くなってしまうという方向けの内容です。
同じような症状でお悩みの方は結構たくさんいらっしゃいます。
本当によくある症状の一つで、冒頭でも言ったように、柱を見つけては柱で背中をゴリゴリしてみたり、フックの付いているような壺押しグッズでグイグイ押してみたり、そういった対処を取っている方が非常に多いです。
なぜ従来の対処法では効果がないのか
ただ、残念なことに、そういった対処をしてしまうと症状が良くなるどころか、かえって悪化させてしまうことの方が多いです。
なぜなら、その背中の症状というのは、そこに原因はないからです。
実際にその辺りの筋肉が硬くなってしまうかもしれませんが、「なんでそこが硬くなったんだ」という話になった時に、原因というのはそこにありません。
なので、いくらその筋肉を押したとしても、またすぐに硬くなってきてしまいます。
それを延々繰り返してしまうと、実は筋肉というのは刺激を与えれば与えるほど、強い刺激を加えれば加えるほど、筋肉が硬くなってしまう恐れもあります。
そうなると、なかなか治らないコリが完成してしまうのです。
このループをなんとか抜け出していかないと、ずっとその症状に悩むことになってしまいます。
肩甲骨の痛みの本当の原因
では、何がその背中の痛みの原因になっているか。
実は首の方から出ていく、首から背中の方に伸びていく肩甲背神経というものがあります。
この神経が影響を受けると、肩甲骨や背中の方に痛みを出すので、原因は背中自体というよりも首から起きていると考えてください。
具体的には、首の斜角筋という筋肉があります。
この筋肉がこの辺り(首の側面)にあって、この奥の方から神経が背中の方に伸びてます。
痛みの出ている背中ではなくて、原因はこの首の辺りにあるんだということを覚えておいてください。
ですので、いくらマッサージをしても、なかなか変わらないということになるんですね。
姿勢が原因となるメカニズム
では、なぜ首の斜角筋という筋肉が硬くなるかと言うと、多くの場合はやはり姿勢が関係しています。
どうしても現代では、デスクワークやスマートフォンの使用で、首がこういう形で姿勢が悪くなっていることって多いですよね。
そうすると、筋肉が緊張してしまいます。
筋肉が緊張することで
- 神経の通り道を狭めてしまう
- 圧迫してしまう
- 血流が悪くなることで神経が上手に栄養できなくなってしまう
そういった結果、痛みや不快感、しびれのような症状を引き起こしてしまうんですね。
もっと具体的に言うと、肩がこう前にグッと縮こまっていってしまったような、首が前に出ていく、いわゆるストレートネックや巻き肩のような状態です。
このような姿勢を長く続けていると、背中でテントをパンパンって張ったみたいに、背中がすごく張ります。
そうすると、その背中の辺り、肩甲骨の間の辺りの血流がどんどん悪くなってしまいます。
根本的な改善方法
ですので、根本的にはそういった姿勢を改善して、首の緊張を和らげて治していくというのが正しいプロセスになります。
今回は、自宅でも簡単にできる2つのストレッチを紹介します。
ある程度の症状であれば、この2つのストレッチでも効果を発揮すると思います。
ただし、長引く症状や症状がかなりきついという方は、実は首の骨の歪みが関係している可能性があります。
その場合は、適切に首の歪みを整えるような整体治療などを受けていただく必要があります。
なので、全ての症状がこれで治るというわけではないことはご理解ください。
効果的なストレッチ方法
事前チェック:首の動きを確認しましょう!
まずは首の動きをチェックしてください。
首をゆっくりひねって、どこまでひねれるかという感じで動きを見てください。
きっと、どちらかちょっと動かしにくいなという方があると思うので、それをちょっと覚えておいてください。
ストレッチがうまくできると、この動きが変化するので、この動きが変化したら良くなっていくという印になります。
ストレッチ①:腰の後ろで手を組むストレッチ
- 腰の後ろに手を組んでください
- 柱や壁を使って、肘をその柱や壁にかけます
- 体はまっすぐに立っていただいて、後ろの手はしっかりと組んだまま
- 肘を引っ掛けて体を横側にグッとひねっていきます
- 肘が前にぐっと出ることになり、この力を腕から体に伝えていきます
- 肩の後ろの辺りから上の辺りがグッと伸ばされる感じが出てくると思います
- 顔は正面を向けていただくか、もしくは反対側の方を向きます
- この状態で10秒間キープ
- 1回行い少し休憩して、手をブラブラしてからもう一度
- これを2〜3回繰り返してください
ストレッチ②:壁を使った胸のストレッチ
- 壁に手を当てます(手のひらを下に向けて)
- この状態だけでも、胸の辺りが結構突っ張る方がいらっしゃると思います
- 胸の前から手のひらについているラインを伸ばすことができます
- 首をストレッチする側に向けて、体も少しひねっていくような感じで
- 無理のない範囲で10秒間キープ
- 1回休憩してから、もう一度行います
- これも2〜3回繰り返してください
ストレッチ後の効果確認
ストレッチが終わったら、もう一度首の動きを見てください。先ほどと比べて、動きやすくなったかどうかを確認してください。
わずかでも変化するということは、それを続けていくと体が良くなっていく可能性があります。
1日だけではなく、できたら毎日、1週間、2週間と続けてもらうと、背中の痛みや肩甲骨の間の痛みが解消できる可能性は高いと思います。
動画では詳しくご紹介しておりますのでよろしければご覧ください⇩
より専門的な治療が必要な場合
症状が強い人というのは、首の骨の歪みというのもあります。
首の骨がちょっとずれたり歪んだりすると、どうしてもこの首の筋肉に必要以上の刺激が加わってしまいます。
なので、その歪みを整えないと、なかなか症状が改善しないという方がいらっしゃるのも事実です。
本当に症状が強くて悩まれている方、なかなか何をやっても良くならないという方は、お近くの治療院で、できたらあまりきつくない刺激で歪みを整えてくれるところを選ばれるのがいいと思います。
首はものすごくデリケートなので、きつい刺激やあまり急激な刺激を加えてしまうと、痛めてしまったり、神経を傷めてしまう可能性もあります。
できたらすごくソフトな刺激や柔らかい刺激で整えてくれるような治療を選ばれるのがいいと思います。
まとめ
背中の痛みや肩甲骨の間の痛みは、その場所に原因があるのではなく、首の姿勢や筋肉の緊張が関係していることが多いです。
今回紹介した2つのストレッチを継続することで、多くの方が改善を実感できると思います。
ただし、症状が強い場合や長引く場合は、専門的な治療が必要になることもあります。
症状でお困りの方は、お気軽にもり鍼灸整骨院までご相談ください。
首の治療や背中の痛み、肩こりの治療などを専門的に行っております。
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(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)