皆さんこんにちは。
もり鍼灸整骨院 院長の森です。
今回は、外反母趾の中でも 「治りやすいタイプ」 と 「治りにくいタイプ」 を見分ける方法や、その特徴についてご紹介します。
治りやすい外反母趾の場合、私が紹介しているセルフケアの動画を実践するだけでも、改善が期待できる可能性があります。
一方で、治りにくい外反母趾 の場合でも、諦める必要はありません。
セルフケアを継続することで少しずつ変化が現れることもありますし、適切な治療を受けることで改善が見込める場合もあります。
「自分の外反母趾は治りにくいのでは?」と思われる方も、決して悲観せず、これまでご紹介してきたセルフケアの方法を参考にしてみてください。
それでは、早速 「治りやすい外反母趾」と「治りにくい外反母趾」の特徴 について詳しく見ていきましょう。
目次
~治りやすい外反母趾かを見分ける5つのポイント~
治りやすい外反母趾かどうかを判断するためのポイントは、大きく分けて 5つ あります。
その前に、前提として 外反母趾には大きく分けて2つの悩みがある ということをお伝えしておきます。
それは、「痛みに関する悩み」と「見た目(変形)に関する悩み」です。
痛みに関する悩み については、適切な治療を行うことで、多くの場合改善が期待できます。
これは 外反母趾の角度や変形の程度に関係なく、治療を続けることで痛みが和らぐ可能性が高い ということです。
一方で、今回お伝えするのは 「外反母趾の変形自体が治るのかどうか」 という点についてのポイントです。
痛みの改善ではなく、変形の改善に焦点を当てて、治りやすい外反母趾の特徴を詳しく解説していきます。
治りやすい外反母趾の指標①:角度
外反母趾が治りやすいかどうかを判断する 1つ目の指標 は 「足の角度 」です。
外反母趾の角度が30度以内、できれば20度前半までであれば、比較的改善しやすい 傾向にあります。
しかし、30度以上になると改善が難しくなる 場合が多く、さらに 進行が加速度的に進む可能性 があります。
そのため、30度以上の外反母趾はセルフケアだけでの改善が難しくなる ことが多いのが現状です。
◎外反母趾の角度の測り方
外反母趾の角度を測る方法は、比較的簡単です。
以下の手順で確認できます。
- 紙とペンを準備 し、床に紙を置く
- 紙の上に 素足を乗せる
- ペンで足の輪郭をなぞる(一筆書きで、できるだけ正確に)
- 親指の先端の出っ張り(母指先端)、母指球の出っ張り(母子丘)、かかとの出っ張り の3点に印をつける
- 母指球の部分を中心として X線画像と同じように線を引く
- その線の角度を測る
この測定によって 角度が20度前半であれば、外反母趾の改善が期待できる可能性が高い ということになります。
治りやすい外反母趾の指標②:足の指の可動性
外反母趾が治りやすいかどうかを判断する 2つ目の指標 は、「足の指を動かしてしっかり開くことができるか、関節が動くかどうか 」です。
外反母趾の変形が進行している方は、親指を動かそうとしてもうまく動かせないケースが多い です。
そのため、まず 足の指をパーの形に開いたときに、しっかりと指の間が開くかどうか を確認してみてください。
指を開こうとしても 思うように動かない、または開くことができない場合、関節が固まってしまっている可能性があります。
この状態では、関節の柔軟性を改善しない限り、外反母趾の改善は難しくなってしまいます。
そのため、足の指がスムーズに開くかどうか をチェックすることは、外反母趾の改善しやすさを判断する上での重要なポイントとなります。
治りやすい外反母趾の指標③:母趾のねじれ
外反母趾が治りやすいかどうかを判断する 3つ目の指標 は、「母趾(親指)のねじれ」 です。
外反母趾が進行すると、親指が内側にねじれてしまい、指腹(親指の腹)が内側を向いてしまう ことがあります。
このように 母趾がねじれている方は、靴などに当たる部分にタコやマメができやすい 傾向があります。
このねじれの原因は 足首のねじれ にあります。
足首が強くねじれてしまっている場合、親指のねじれも発生しやすくなる のです。
そのため、足首のねじれが強い方は、足首の治療や矯正を行わないと、母趾のねじれも改善しにくい 状態になります。
特に、母指球の腹がしっかりと地面についていない場合は、改善が難しいケースに当てはまる 可能性が高いと考えられます。
治りやすい外反母趾の指標④:足の指の形や骨格
外反母趾が治りやすいかどうかを判断する 4つ目の指標 は、「親指や足の指全体の形、骨格の特徴 」です。
具体的には、以下のような 指の長さや形に特徴がある方は、外反母趾の改善が難しくなる傾向 があります。
- 親指が極端に長い
- 親指が極端に短い
- 第2趾(人差し指の骨)が極端に長い、または短い
- 母趾以外の指がすべて短い
このような 先天的な骨格の特徴を持つ方は、小さい頃から変形が起きている可能性が高く、改善が難しくなる ことがあります。
逆に、これらの骨格的な特徴がない方は、外反母趾の改善がしやすいケースに当てはまる と考えられます。
治りやすい外反母趾の指標⑤:靴の影響
外反母趾の改善しやすさを判断する 5つ目の指標 は、「靴の影響をどれくらい受けやすい環境にあるか 」です。
スニーカーを履き続けることができる環境にある方は、外反母趾が改善しやすい傾向 があります。
一方で、ヒールやパンプスを履かざるを得ない、スリッパなどの靴底が不安定な履物を使用する必要があるというような環境にある方は、改善が難しくなる可能性が高いです。
靴の選び方は、外反母趾の進行や改善に大きく関わります。
スニーカーであっても、サイズが大きすぎて足が靴の中で動いてしまう、靴が柔らかすぎて足首をしっかり固定できないといったような問題がある場合は、改善が難しくなります。
足に合ったスニーカーを履ける方は、外反母趾の改善がしやすい です。
また、ビジネスシューズでも足にフィットしていれば問題ありませんが、ビジネスシューズはサイズの調整が難しいため、注意が必要です。
特に、靴の中で足が動きすぎると、外反母趾が悪化する可能性が高い ため、できるだけフィット感のある靴を選ぶことが大切です。
改善しやすい環境を整えるためには、紐靴が最適 です。
紐靴であれば、しっかりと足にフィットさせることができ、靴の中で足が動くのを防ぐことができます。
そのため、適切な靴を履ける環境にある方は、比較的外反母趾の改善がしやすい と言えるでしょう。
~まとめ~
ここまでご紹介した 外反母趾が治りやすいかどうかを判断する5つのポイント を、改めてまとめます。
- 足の角度
- 外反母趾の角度が 30度以内、できれば 20度前半まで の場合、改善しやすい。
- 関節の可動性
- 足の指の関節がしっかり動く人のほうが治りやすい。
- 母趾のねじれの有無
- 親指がねじれていない(指腹が内側を向いていない)ことが重要。
- 指の形や骨格の特徴
- 極端な指の変形がない(親指が長すぎる・短すぎる、第2趾が極端に長い・短い、他の指がすべて短いなどの骨格的な特徴がない)。
- 靴の影響を受けにくい環境
- 適切な靴を履ける環境 にある(スニーカーや紐靴を履ける環境のほうが治りやすい)。
これらのポイントに当てはまる方は、セルフケアを継続することで改善していく可能性が十分にあります。
一方で、これらの条件に当てはまらない場合でも、セルフケアをより頑張っていただくか、治療を受けていただきしっかりとアシストをしながらやっていけば、効果的に改善を目指すことも可能 です。
改善のスピードや程度には個人差がありますが、適切な対策を行えば、多くの場合、現在の状態よりも良い方向へ向かう可能性が高い です。
どのような状況であっても、諦めずに取り組むことが大切 です。
ぜひ、自分の状態を確認しながら、できることから始めてみてください。
動画では、外反母趾の角度の正しい測り方や具体的な説明をご紹介しております。
是非ご覧ください!
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(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)