皆さんこんにちは。
もり鍼灸整骨院 院長の森です。
今回は、肩を動かすと引っかかるような痛みや、動きにくさ、上がりづらさを感じたり、例えば後ろに手を回す時に手が回りづらいといった肩の症状についてお話ししたいと思います。
実はこのような症状は、「肩のインピンジメント症候群」というトラブルを起こしている可能性があります。
初めて聞くという方も多いと思いますが、このインピンジメント症候群は放置していると五十肩になったり、ひどい場合は腱板損傷といったような症状に進行し、最終的には手術が必要になるケースもあります。
そのため、なかなか治らず、数週間から1ヶ月以上長引いているような引っかかる痛みや動きにくさでお悩みの方は、ぜひこの記事を最後までご覧ください。
目次
インピンジメント症候群とは何か?
まず、インピンジメント症候群とは何かを簡単に解説します。
肩の関節は、肩甲骨と鎖骨、そして上腕骨から構成されています。
前方が鎖骨で後方が肩甲骨となっており、上腕骨が肩関節の部分にはまっています。
肩を上げる時、通常は上腕骨だけが動くわけではありません。
肩が上がりながら肩甲骨も一緒に動きます。
実際の肩関節の動きは約120度までと言われており、180度まで腕を上げる場合は、肩甲骨が60度動き、上腕骨が約120度動くという形になります。
インピンジメント症候群は、この挙上動作の時に肩の関節内で骨と骨との間にある筋肉や軟骨が挟み込まれてしまう現象です。
このため、スムーズに動かずに引っかかるような感じがするのです。
関節がスムーズに動かず、筋肉や軟骨を挟み込むように腕を上げるため、引っかかるような痛みが出るのです。
どんな人に多いの?
インピンジメント症候群は、実は誰にでも起こり得る症状です。
スポーツ選手であれば、使いすぎによる痛みが原因となることが多いです。
私も子供の頃から野球をやっており、現在でも野球選手のサポートをしていますが、野球などのオーバーヘッドスポーツの選手にはこのインピンジメント症候群が多く見られます。
一般の方の場合は、あまり肩を動かさないことによって筋肉が硬くなることが原因となることが多いです。
特に「インナーマッスル」と呼ばれる肩の内側の小さな筋肉が硬くなると症状が出やすくなります。
また、この筋肉があまり働かなくなると、関節のスムーズな動きができなくなり、それも要因となります。
さらに、肩甲骨や鎖骨の動きが硬くなっても、インピンジメント症候群は起こりやすくなります。
肩甲骨が動きにくくなると、上腕骨だけで動きを補おうとするため、筋肉や軟骨を無理に引っかけて動かすことになり、症状が現れやすくなります。
姿勢も大きな要因です。
猫背や巻き肩のような姿勢が強くなると、肩が前に出て肩関節が内側にねじれ、肩にロックがかかって上がりにくくなります。
このような状態で無理に肩を動かすと、様々な組織を痛める可能性があります。
放置するとどうなる?
インピンジメント症候群を放置すると、筋肉が硬くなるだけでなく、五十肩や腱板損傷といった深刻な症状に進行する可能性があります。
腱板損傷がひどくなると手術が必要になるケースもあるため、症状が長引く場合はあまり放置せず、整形外科などに相談することをお勧めします。
改善方法
原因によって改善方法は異なります。
筋肉が硬くなっている場合や肩甲骨が動きにくくなっている場合は、ストレッチで改善する可能性があります。
しかし、関節のポジションが悪い、姿勢が悪い、筋肉がうまく働いていないといった場合は、なかなかセルフケアでは改善しません。
このような場合は、関節のポジションを整える整体治療や、筋肉の機能を回復させる治療が必要になります。
まとめ
今回は肩のインピンジメント症候群について解説しました。
過去に、インピンジメント症候群のセルフケアやストレッチについてもYouTubeにてご紹介しておりますので、そちらも是非ご覧ください。
筋肉の硬さや肩甲骨・鎖骨の動きの悪さが原因であれば、セルフケアで改善できる可能性もありますが、関節のポジションの問題や筋肉の機能不全が原因の場合は、適切な治療が必要です。
セルフケアを1〜2ヶ月続けても改善しない場合は、お近くの治療院や病院に相談されることをお勧めします。
当院でも肩の治療を行っておりますので、お困りの方はぜひご相談ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)