「足がパンパンになり走れなくなる」ランナーの足の痛みの治療

こんにちは!
京都市北区 北野白梅町 円町近く もり鍼灸整骨院の森です。

先日久しぶりにランニング大会に出場しました。1周1.7㎞のリレーマラソンを友人達と楽しく遊びながら走っただけですが(^^)/
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当院に来られている女性患者さんで先日60㎞のマラソンを完走された方がおられます!すごい!

1.7㎞で走ったという自分が恥ずかしい(笑)

なんと、わざわざ車で2時間半かけて京都府舞鶴市から通院くださっています。本当にありがとうございますm(_ _)m

今回はこの患者さん(40代女性)の症例をご紹介いたします。

足の痛みでお悩みの40代女性ランナーの方

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この方は走ると足が痛くなるという問題でお悩みでした。そこで足を専門に診てくれる治療院を探していたところ、当院が外反母趾治療やインソール療法など足を専門的にみていることをホームページで知りご来院くださいました。

以前はフルマラソンも走っていたそうですが、足が痛くなってからは全然走れなくなったそうです。当時はフルを3時間半ほどで走っていたとのこと。40代女性でこの記録は本当にすごいですよね!

症状はというと「しばらく走っていると足の指がグーと丸まって伸びなくなり、次第に痛くなり走れなくなる」というものでした。

およそ数㌔走るだけでもこのように症状が出てきてまったく練習できずに困っておられました。

検査をさせていただくと、この患者さんの足は「慢性コンパートメント症候群」を起こしている可能性がありました。

慢性コンパートメント症候群とは?

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筋肉というのは骨、骨膜、筋膜により囲まれた空間に存在していてこれをコンパートメント「筋区画」といいます。

膝から下の足(下腿)は4つのコンパートメントに分かれていて、それぞれの区画の中に筋肉や神経、血管などがあります。

例えば、強い打撲や外傷により筋肉の中で内出血を起こしたとします。するとこの筋区画の中が血液でパンパンになります。

イメージとしては風船がパンパンに膨れたように状態です。これが筋肉の中で起こるわけですから、当然強い痛みも出ますし神経や血管が圧迫されると筋肉が麻痺したり知覚の異常なども出てきます。

急性の場合は緊急の手術が必要なことがあります。打撲やケガでこのような状態になることを急性コンパートメント症候群といいます。

一方、ケガとは関係なくランニングなどの慢性的な負担でもコンパートメント症候群を引き起こすことがります。これを慢性コンパートメント症候群といいます。

慢性コンパートメント症候群の場合、緊急性はありませんが長時間走れないというランナーには厳しい状態になります。

この患者さんの症状に「足がグーと曲がってきて指が伸びなくなる」というものがあります。数分休憩したらまた指が伸びて走れるようになるそうですが走り始めるとまた指が曲がってくるとのことです。

検査のために、足首と足の指を反らしてもらうように指示すると、痛めている方の足の指は全然上がりませんでした。

これは前区画という区画の中に入っている筋肉が機能しないために起こる現象です。

走っているときにこの筋肉が機能しなくなると、足の指を伸ばせなくなります。そうすると相対的に指を曲げる筋肉が強くなるわけですから指が曲がってくるのです。

走っているときに指が曲がってくるのは、指を曲げる筋肉が硬くなるからではなく伸ばす筋肉が機能しなくなるから起こる現象です。

しばらく休憩するとく前区画内の内圧が減少しますので筋肉が伸ばせられるようになります。

なぜ慢性コンパートメント症候群になってしまったのか?

コンパートメント症候群の原因は、練習の頑張りすぎといえばそれまでなのですが、この患者さんはコンパートメント症候群を発症しやすい要因がありました。

それは足首の硬さと、それにより重心が後ろ寄りになっているというところです。

足首が硬い方はコンパートメントの柔軟性がなくなり、すぐに内圧が上昇してしまいます。さらに重心が後ろ寄り(後方重心)になるとバランスをとるためにすねの前の筋肉を過剰に使うようになります。

すねの前の筋肉は前区画の中にありますので、これによりこの患者さんは前区画のコンパートメント症候群を発症したと考えられます。

慢性コンパートメント症候群の治療は?

この患者さんの場合は、足首の硬さ、後方重心に原因がありますのでこの問題を解決しなければなりません。

治療の方法としては足首を柔軟性にして、後方重心を改善するための整体治療をおこなえば良いのですが、この患者さんは高速に乗り車で2時間半ほどかけてご来院くださっています。

ですので続けての施術は大変だと思いインソールを作成することにしました。

当院ではその方の歩行やバランスを改善するためのオリジナルインソールを作成しています。

インソールを作成し履いて頂くことで、後方重心化の改善もできますし、足首の動きを良くすることもできます。

インソールを履いて走ってもらうようにしたところ、わざわざお電話で「長い時間走れました!」とご報告いただけました。

わざわざ2時間半かけてきたいただいているので結果が出て一安心です(*^^*)

その後、僕の知らない間にこっそりと60㎞nのマラソンを走られていました(笑)

この間まで数キロまともに走れなかった方が60㎞走られるなんて信じられませんね~

もちろんご本人の努力や工夫もあったと思いますが少しはお力になれたかなと思います(^^)

遠方から来られているため、なかなか治療する機会の少ない中で本当によい経験ができました。

といってもまだ完全に良くなっているわけはありませんし、まだまだ課題が多いのも事実です。

今後もたくさんレースに出られる予定らしいので、しっかりとサポートさせていただきたいと思います!

当院ではスポーツをされている方の足のトラブルや、外反母趾など足の症状でお悩みの方が多くご来院されます。もしこのような足のトラブルでお困りでしたらぜひ当院にご相談くださいね(^^♪

ご質問やお問い合わせはLINEでも承っております。

 

お悩みの方はぜひご相談ください。

(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)

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