スポーツをすると足の親指が痛い。その原因と根本的な治療法

こんにちは!
京都市北区 北野白梅町 円町近く もり鍼灸整骨院の森です(*^^*)

今回は、高校一年生、女子バスケットボール部の選手の症例をご紹介します。

練習中に足の親指の付け根が痛くなってきたようです。
思い当たるような要因はなく、最近徐々に痛みが増してきたとのこと。

初めはアップをしているときにだけ痛かったようですが、次第に練習中や練習後にも痛くなり、今は普段歩いているだけでも痛みを感じるようになったそうです。

特に痛みを感じる瞬間は、足を蹴り出すときやジャンプの着地。
ズキッとしたような痛みで、練習で体が温まると痛みがましになるが、練習終わりになり体が休まるとまたズキズキと痛くなるとのことでした。

本人とご両親は外反母趾が原因ではないかと心配されていました。
足を診させていただくと、この年齢の子にしてはたしかに外反母趾の傾向がりました。

しかし、どうやら今回の痛みと外反母趾の関連は低そうです。

今回の症例はでは親指の付け根が腫れていて、炎症が痛みの原因となっていました。
いわゆる足の親指の関節炎です。

炎症が起きた原因は「親指の硬さ」

左右の親指を反らすように曲げると、両側、特に痛みのある足では硬くなっていました。
これは痛みや腫れのために動きにくくなっていることもありますが、もとからの関節や筋肉の硬さもあるでしょう。
足を蹴りだすとき、ジャンプするときに硬くなった親指の関節に過剰なストレスとなって、炎症を引き起こしたのではないかと考えられます。

ではなぜ親指の関節が硬くなっているのか?

少し難しい話になるかもしれませんが、詳しく原因を考えていきましょう。

足の親指が硬くなる原因は?

足首は「距腿関節」「距骨下関節」という2つの関節から成り立っています。

距腿関節(きょたいかんせつ)は脛骨といわれるすねの骨と、距骨といわれる足の骨からなる関節です。
この関節は足首を上下に動かします。(底背屈)

距骨下関節(きょこつかかんせつ)は、距骨と踵骨(かかとの骨)からなる関節です。
この関節は足首を左右に動かしたりひねったりします。(内転・外転、回内・回外)

この2つの関節を合わせたものが「足首」であると考えましょう。

この女子選手の足首は、足首を上に動かす「背屈」という動作が異常に硬くなっていました。

そして足は「ハイアーチ」といわれる、土踏まずがしっかりしている足の甲が盛り上がったような形状でした。
逆にアーチがつぶれた状態を「偏平足」といいます。

この選手のように足首が硬く、ハイアーチであると次のような問題が起きてしまします。

問題①「衝撃の吸収がうまくできない」

足首が硬く、ハイアーチである選手は身体の衝撃を足で吸収することが苦手になってしまいます。
足で身体の衝撃を吸収するためには、足首が柔らかく、アーチが沈み込む必要があるからです。
これを「緩みのポジション」といいます。
「一時的な偏平足」と考えてもらっても良いでしょう。

足が緩みにくく、衝撃を吸収しにくいような硬い足では、足の裏の筋肉が硬くなりやすいです。
足の裏の筋肉が硬くなると、足の親指の動きも悪くなります。
これが足の親指が硬くなる原因の一つです。

さらに硬い足だと、膝や股関節、腰などにも負担がかかりやすくなってしまいます。

問題②「体重移動がスムーズにできない」

足首が硬く、ハイアーチの足では体重移動がスムーズにできないケースもあります。

少し専門的な話ですが歩行においての距骨下関節の動きは、「回外→回内→回外」とされています。

問題の足では、真ん中の「回内」という動きがうまくできないことがります。この回内という動きがなければ重心の移動も不十分になってしまいます。

さらに「回内→回外」の動きの時に足の親指の力を使います。
この動きがうまく行われなくなると、親指の筋肉がうまく働かなくなり、動きが悪くなる可能性があります。

このように、
「衝撃の吸収、重心移動がうまくできない、ということが原因で足の指は硬くなり、そこにジャンプをしたり、ダッシュをしたりという負担が積み重なることで炎症を引き起こしてしまったのではないか」

ということが今回の症例では考えられます。

さて、この問題を解決するためには「足の親指の柔軟性」が欠かないのですが、ただただ指の関節をストレッチしてもマッサージしてもそれでは効果的な治療とは言えません。

なぜなら、足首の硬さの問題やハイアーチなどの、指の関節が硬くなってしまった原因が解決されていないからです。

スポーツによる足の親指の痛みの治療

今度は足の親指の痛みの治療のポイントをご紹介します。ポイントは2つあります。

①硬くなった親指の治療

親指に痛みを感じる場合、多くは親指の関節が硬くなっていますので、まずは親指の関節がスムーズに動くように治療していきます。
足の親指の動きをよくするには指だけでなく足の裏やふくらはぎの柔軟性も大切です。足の指と足裏とふくらはぎは筋膜という体の組織でつながっていますので見逃してはいけないポイントです。

②股関節、骨盤へのアプローチ

足の痛みを治すためには体のバランスを整えることも重要で、体のバランスを整えるには股関節と、骨盤へアプローチしなければなりません。
これはバイオメカニクスという体のつながりが関係しているのですが、実は足首の動きと、股関節や骨盤の動きは連動しています。
この女子選手の場合は、股関節の内旋という動きが硬く、骨盤の動きも悪くなっていました。
このような問題がると、距骨の「内転・回内」という動きが硬くなります。
前回のブログでもご紹介しましたが、距骨の「内転・回内」という動きが悪くなると、身体への衝撃を吸収できなくなったり、重心移動がうまくできなくなったりします。
足首や、親指の関節だけをいくら触っても、股関節や骨盤の問題が解決しなければ、足の問題もなかなか良くなりません。
このように足の親指の問題一つでも全身の影響を受けています。

治療後この女子選手は、1年以上かかえていた親指の痛みが、週に1回、2カ月の整体治療で痛み無くプレーできるようになりました。
本人の努力も必要な症例でしたが、しっかりと良くなって本当によかったです。

繰り返すスポーツでの痛み、なかなか良くならないスポーツでの怪我は痛みの原因が改善されていない可能性があります。
なぜ痛みが出ているのか?なぜ治らないのか?をしっかりと分析して治療を行えば、なかなか治らない痛みもよくなる可能性は高いでしょう。

スポーツによる痛みでお悩みでしたらお早めに当院にご相談ください。みなさんが一日でも早く全力でプレーできるように私も全力でサポートさせていただきます。

ご質問やお問い合わせはLINEでも承っております。

 

お悩みの方はぜひご相談ください。

(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です