こんにちは!
京都市北区 北野白梅町 円町近く もり鍼灸整骨院の森です。
先日、ご紹介で40代女性の患者さんがご来院くださいました。
10数年前お子さんを出産して以来、慢性的な腰の痛みにお困りだそうです。
ここ最近、腰の痛みが増してきて、仕事中に座っていても痛みがあり、夜中にもずくずくとしたうずき感が出てきたようです。
半年前には整形外科で「腰椎すべり症」と診断され、それ以来コルセットを着けて生活をしているとのこと。
初めてご来院されたときは、表情が暗く「腰椎すべり症だから痛みは治らないだろう」と思われている、そのようにお話しされていました。
病院で腰椎すべり症との診断を受けてから、ご自身でも本やネットでいろいろ調べたそうで、余計に不安になっていたようですね。
お身体の状態を診させていただくと、腰や股関節の動きが悪く、腰の筋肉も硬くなっていました。
腰の痛みでお悩みの患者さんは、腰の筋肉が硬くなっていますが、腰の筋肉をマッサージして一時的に楽になってもまたすぐに痛みが出てきます。
このような場合、腰や股関節、背骨の動きを良くして腰に負担のかからない状態を作らなければなりません。
初回の治療は、腰と股関節、背骨の動きが良くなるように整体治療を行いました。
治療前は身体を後ろに倒す動作が硬かったのですが、治療後はずいぶんと柔らかくなりました。
初回の治療から約10日後、2回目の治療に来られた際には、
「夜中の痛みはなく、初めの1週間腰のいたみはほとんど感じませんでした!」とおっしゃってくださいました。
このまま治療を続けていくと腰の痛みに悩まない日も近いでしょう。
この患者さんと同じように病院で腰椎すべり症と診断されて「もう治らない」「このまま付き合っていかなければ仕方がない」そう思われている方も少なくないのではないでしょうか。
ところが、腰の骨の変形が必ずしも腰の痛みの原因であるとはいえません。
今回治療に来てくださった患者さんのように骨の問題があっても、しっかりと治療をおこなえば、痛みは良くなります。
なぜ骨の問題があるにもかかわらず、腰の痛みが良くなるのか?
そのことについて解説させていただきますので、腰椎すべり症と診断された方はぜひ最後まで読んでくださいね。
目次
腰椎すべり症とは
腰椎すべり症は加齢に伴う腰骨の変形です。
腰骨(以下腰椎)は積み木のように積み重なって並んでいますが、その腰椎の間は「椎間板(ついかんばん)」という軟骨により結合しています。
この椎間板はいわば腰椎を引っ付ける接着剤のようなもので、簡単には剥がれることはありません。
しかし加齢に伴い少しずつ接着剤の強度が弱くなると、上の腰椎と下の腰椎がずれて滑ってしまうことがあります。これが「腰椎すべり症」といわれるものです。
それ自体はあまり特別なものではなく、ある程度年齢を重ねた方の腰のレントゲンをとると、結構な割合で見つかります。
重度になると腰椎が神経を圧迫し、足のしびれや痛みを引き起こす「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」という状態になります。
稀ではありますがひどい場合は、腰椎を固定する手術になることあります。
腰骨の変形が腰痛の原因だといえない理由
多くの方は腰骨の変形があると腰が痛くなる、そう思われるでしょう。しかし最新の研究ではそうとも言えないということがわかってきました。
その理由としては以下の研究などで証明しています。
(画像引用元 「腰痛は終わる」長谷川淳史著)
これらの表を見てみると、腰の痛みがある人と無い人のレントゲンをとると、どちらもほぼ同じ確率で腰椎すべり症が存在していることがわかりました。
つまり腰椎すべり症があるからといって必ずしも腰が痛くなるとはいえず、腰の痛みの原因は他にあるということです。
このような研究内容は世界中の各地で報告されており、現在は腰痛研究の常識として考えられています。
腰椎すべり症の方が気をつけたい治療
治療に関しては様々なアプローチがあります。
病院でおこなうものでは電気治療や牽引治療、温熱治療、運動療法、理学療法、心理療法、投薬治療など。
民間の治療院ではカイロプラクティック、鍼灸、マニュピレーション、マッサージなど、あげればきりがありません。
どの治療法が良い悪いという話ではありませんが、アプローチの仕方によっては症状を悪化させてしまう可能性もあります。
腰椎すべり症は先述したように背骨がズレている状態です。
ですので腰に強い刺激を与えることで、骨のズレ程度が悪化することを念頭に置いておかなければなりません。
例えば、背骨周辺を上から強く押すようなマッサージ、腰をボキボキするような整体などは危険を伴います。
病院であればそのようなリスクのある治療は選択しませんが、医学知識を有していない整体院やマッサージ屋さんでの施術は気をつけましょう。
医療の国家資格(鍼灸師、柔道整復師、理学療法士など)を有した治療院でも、しっかりと話し合ってから治療法を決定するようにしましょう。
腰痛の本当の原因は?
すべり症の症状というのは、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)といわれるものと同じです。
簡単に言うと神経が圧迫されると出る症状です。
脊柱管狭窄症の症状は足のしびれや痛み、足の筋力低下ですので、これが腰椎すべり症の症状ということです。
腰椎すべり症になったから腰の痛みが出るわけではないのです。
そのようなの方の腰の痛みの原因も、多くの患者さんと同じようにその原因の多くが筋肉にあります。
姿勢や体のバランス、関節の硬さなどにより特定の筋肉にばかり負担が集中すると、筋肉への血流が減少し、筋肉は脆弱します。
ダメージを受け続けている筋肉は、そこから痛みのホルモンを放出し、痛みのセンサーも敏感になります。それにより筋肉由来の痛みを引き起こすのです。
当院の治療
腰椎すべり症の治療も、その他の腰の治療も特別変るものではありません。
崩れた姿勢やバランスを整えて筋肉の負担を軽減するのが主な治療の目的です。
ただし、腰椎すべり症の方の筋肉はだいぶダメージを蓄積していることが多いです。
なぜなら骨の問題があると、腰骨がぐらぐら不安定になるので、変形のない人と比べて筋肉に過剰な力が入っていることが多いからです。(背骨を安定させるために筋肉を緊張させやすくなります)
筋肉は疲労がたまると、神経との神経伝達がうまくいかず、筋出力低下といって筋肉の反応(働き)が鈍くなります。
当院ではこの低下した筋肉の反応(働き)を改善するための特別な治療をおこなっています。
それが「神経筋促通法(PNF)」といわれる治療で、この治療は脳梗塞や筋麻痺系などの神経疾患のリハビリとしてももちいられる特別なものです。
神経筋促通法をおこない筋肉の反応を高めることができればその場で痛みが大幅に軽減したり、曲がらなかった腰が曲がったり、長年の痛みが数回の治療で良くなるというケースも少なくありません。
当院ではその他にも鍼灸やカイロプラクティック、運動療法など様々な治療を患者さんの状態に合わせて使い分けて施術をおこないます。
腰椎すべり症でお悩みの方へ
「病院で腰椎すべり症と診断されて困っています」このようなご相談は当院にも多く寄せられています。
その中には今回の患者さんのように、本当は治るはずの症状なのに、適切な治療や対処がおこなえていないせいで、長年辛い思いをされている方も少なくありません。
もしあなたも、「腰はもう治らない」そう思われているのであればあきらめず可能性を信じて治療をおこなってみてはいかがでしょうか。
今まできちんと治療したことがない、効果的な治療を受けていないという方はぜひ当院にご相談いただければと思います。
みなさんが腰の痛みで悩まない安心した毎日を過ごせるように私が全力でサポートさせていただきます。
ご質問やお問い合わせはLINEでも承っております。
お悩みの方はぜひご相談ください。
(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)