みなさんこんにちは!
京都市北区 北野白梅町 円町近く もり鍼灸整骨院の森です!
当院では野球肩・野球肘の専門治療をおこなっており、小学生から社会人までたくさんの選手がご来院されます。
整形外科や整骨院、整体院などたくさんの治療院がありますが、野球肩でお悩みの選手はなかなか減らないのが現状です。
これは野球肩の治療には、投球フォーム、体の使い方など投球に対する専門的な知識が必要だからです。
そこで今回は少しでも野球肩でお悩みの選手の力になれればと思い、解説付きで動画をご紹介させていただきます。
今回のテーマは、「肩の前が痛い野球肩を改善するための投球フォーム」です。
野球肩といっても、肩の前が痛かったり、後ろが痛かったり、関節の中が痛かったりと、痛みかたもいろいろあります。
その中でも多いのが「肩の前の痛み」です。
動画をご覧いただく前に、まずはなぜ肩の前が痛くなるのかをご紹介させていただきます。
目次
肩の前を痛めやすい選手の特徴
様々な要因があるのですが、特に多いのが投球フォームの問題です。
具体的に言うと「トップからリリースにかけて腕を引きすぎてしまっている」という投げ方になると危険です。
(専門的には最大外転外旋位といいます)
写真のように肩が最も外側にねじれる位置で腕を引くと、上腕骨頭といわれる肩の骨が前方にずれて、肩の前方にある筋肉や靭帯を圧迫します。
このストレスが繰り返されることにより、肩前方の組織が損傷されて肩の前が痛い野球肩になります。
(下の写真は肩関節を上から見た図。左の写真は肩甲骨と上腕骨がきれいにはまっている。右の写真は上腕骨頭が前にずれて肩の前にストレスがかかっている。)
なぜ腕を引きすぎる投げ方になるのか?
トップからリリースにかけて腕を引きすぎるフォームになってしまう原因は、次のようなことが考えられます。
1つは、「体の開きが早くて腕が遅れてしまう」パターンです。
特に下半身が早く投球方向を向いてしまうと、上半身が取り残されて、上半身が開いたような投げ方になります。
腕はそれに合わせて遅れてしまい、肩の前側に強いストレスがかかります。
この投げ方だと、「肘下がり」になる可能性もあります。
もう1つのパターンは、「肩の内旋が強いテイクバック(肘の上げ過ぎ)」をしているパターンです。
テイクバックでの肩の動きは「内旋→外旋」となります。
この内旋の動きが強いと、外旋の動きが遅れ腕も遅れて出てしまいます。
さらに、肩内旋で肩を上げていくと肩関節で引っかかるような負担がかかり、肩を痛めてしまうことがあります。(これをインピンジメント症候群といいます)
この2つのポイントを改善することで、肩の前に負担のかからない投げ方ができるようになります。
それでは改善するための練習方法をご紹介します。
腕の引きすぎフォームの改善法
先述したように体の開きが早いと腕が遅れてしまいます。
これを改善するには下半身、体幹、上半身(腕)を連動させることが大切です。
②手を頭の後ろにおきます。このとき手の平を下を向けると体幹と腕が連動しやすいです。
③おへそは正面を向いたまま、みぞおちから上半身を反対側にひねりながら腕を引きます。
※悪い例はおへそ(骨盤)から捻る↓
④股関節を軸に腰を回すようにして、肘を前に突き出します。下半身の回転で肘を前に出すのがポイントです。
このような練習をおこなうと下半身、体幹、上半身(腕)はしっかり連動できるようになります。
動きがスムーズにできるようになってきたら、タオルピッチングをしたり、実際にボールを投げながらこの動きを再現してください。
肩の内旋が強いテイクバックの改善法
このテイクバックをおこなう選手に話を聞くと「肘を上げるように意識している」というパターンが多いです。
実はテイクバックで肘を上げようと意識すると肩の内旋が強くなります。
プロの投げ方などを見てみるとわかりますが、テイクバックの段階で肘を上げる必要はありません。
肘を上げ過ぎることで肩に負担がかかりますので「肘を上げよう」と意識している人は注意してください。
テイクバックで肩を引くときは「肘を上げる」のではなく、「前腕(肘から先)を上げる」というイメージを持ちましょう。
具体的には肘から先が地面と平行になるような感じです。
そうすることで外旋の動きがスムーズにおこなえるので腕が遅れることはありません。
いかがだったでしょうか。
投げ方を改善するのは難しいように思いますが、ポイントさえつかめばうまくいくことが多いです。
このブログが野球肩でお悩みの選手や子供の参考になれば幸いです。
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(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)