皆さんこんにちは。
京都市北区にあります「もり鍼灸整骨院」の院長の森です。
今回は「姿勢の悪化を防ぐストレッチ」をご紹介していきます。
年々姿勢が崩れてきて気になっているという方も多いのではないでしょうか。
様々な改善方法があると思いますが、今回はこの1つのストレッチを行うことで、姿勢が崩れていくことを防げる、簡単にできるセルフケアをお伝えしたいと思います。
姿勢の崩れが気になるという方は、ぜひ最後までご覧ください。
姿勢はどのように保たれている?

まず、姿勢というのはどのようにして保たれているのか、制御されているのかということを簡単に解説します。
少しマニアックな話になってしまいますが、実は人の体の構造メカニズムの中には「姿勢制御の運動戦略」というものがあります。
そこには3つの姿勢を制御するメカニズムがあります
- 足関節戦略
- 股関節戦略
- 踏み出し戦略
とても簡単に言うと、体のバランスを取るために元々体に備わっている能力のことなんです。
足関節戦略・股関節戦略とは
足関節戦略と股関節戦略というのは、立っている時に体がグラグラ不安定になってしまいますが、この不安定になっているものを支え、コントロールしているのが実はこの足首と股関節です。
足首と股関節で体の微妙な揺れや動きをコントロールすることで、体の中心を保っています。
この足首や股関節で制御できなくなった時に、体が倒れてしまいます。
体が倒れた時に「危ない!」と足を踏み出す、それが踏み出し戦略と言われるものです。
この3つの戦略で、人の体は姿勢そのものの立った状態をキープしています。
~姿勢悪化の原因~

つまり、特にこの股関節と足首がうまく動かないとか、硬くなってしまうと、バランスを制御することができません。
だから姿勢が崩れます。
なので、姿勢の悪化を防ぐためには、この足首と股関節がよく動くようにしておかないといけません。
どのような柔軟性が必要か?
色々な動きをする中で、どういった柔軟性が大事なのでしょうか。
この動画をご覧の方の中には、「姿勢が崩れてきてるけど、股関節とか足首はよく動かしてるよ」という方もいらっしゃると思います。
実は、柔軟性にもポイントがあって、こういった動きが改善されないといけないというものがあるんです。
~足首の柔軟性のポイント~

足首の場合は、背屈と言って、足首が下や横ではなく、上方向にしっかり動くということが大事になります。
しかも、この脛骨に対して、脛の方に対してまっすぐ動かなければいけないんです。
これが横にずれたりとか、足首がねじれながら動くのではなく、足の裏が地面に平行になって、かつこの脛の骨に対してまっすぐに動くという、こういった柔軟性が大事になります。
~股関節の柔軟性のポイント~
股関節の場合、皆さんがイメージするのは基本的には曲げる動作だと思いますが、姿勢をコントロールするために大事なのは、股関節が伸びるということなんです。
立った状態で言うと、股関節が曲がるのではなく、くの字に曲がるのではなく、反対方向に伸びるという、こういった柔軟性が大事になります。
つまり、この足首の背屈と股関節の伸展、この柔軟性を獲得していくことが非常に大事です。
ストレッチやトレーニングの方法は色々あると思いますが、たくさんやると大変なので、今回はその股関節と足首を同時にできる簡単なストレッチ方法を1つお伝えします。
何をやったらいいのかわからないという方は、ぜひこの1つのストレッチを試してみてください。
股関節と足首のストレッチ

~基本のストレッチ方法~
では実際のストレッチをやっていきたいと思います。
- 足を前後に開く 昔よくやったアキレス腱伸ばしのような形を作ります。
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- 足のポジション
- 後ろ足のつま先はしっかり正面を向ける
- かかとをつけておく
- かかとが浮いてしまう方は、かかとが浮かない程度の歩幅に調整
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- 上体のポジション
- 背骨をしっかり伸ばす
- 両手を組んで下腹部の辺りに当てる
- お腹を上に持ち上げるような感じで胸も一緒に張る
- しっかりと背骨を伸ばす
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- ストレッチの実行
- この状態で少し体重を前かつ下の方にかけていく
- バランスが取れない方は何かにつかまりながら行う
- 股関節の前も伸ばしていく意識
- 前足は前の方に、後ろ足を後ろに引き離すようなイメージ
 
この形を作ってもらうと、股関節の前も伸びるし、足首(ふくらはぎのあたり)も同時に伸びるのがわかると思います。
~ストレッチのコツ~
- 背骨が少しでも猫背になると、この辺りの伸び感がわからなくなる
- 体はしっかりとまっすぐにした状態で伸ばす
- 反動をつける必要はない
- じわーっと伸ばすような形で、だいたい10秒から15秒ぐらいで十分
- 不安定な方は物に掴まっても構わない
- 左右両方行う
股関節のストレッチが分からない方向けの補助ストレッチ
股関節の伸び感が分かりにくいという方は、このストレッチもぜひ試してみてください。
- 両膝をつく
- 前後に足を開く(後ろの足は寝かしても良い)
- 体を少し下に沈める
- 体もしっかりと起こしておいた状態で行う
この場合は足首のストレッチを一緒にできないので、また後で足首のストレッチも行う必要があります。
先ほどのストレッチがうまくできない方は、このように股関節と足首のストレッチを分けて行ってください。
~足首専用のストレッチ~
股関節と足首をセパレートで行う場合は、5cmぐらいの厚みのある本を2冊ぐらい重ねたり、だいたい5cmぐらいの高さの台を用意してください。
- 台の上につま先を置く
- かかとは地面につける
- つま先もしっかり正面向ける
- 膝も伸ばしておく
- 前足の方に体重をかける
これも足首のストレッチになります。だいたい10秒から15秒ぐらいで、左右交互に行ってみてください。
~ストレッチの回数と頻度~
回数については、それぞれの方の状況に合わせて、できる程度で構いません。
少なくとも2〜3セットぐらいはやってもらった方が良いかなと思います。
10秒から15秒の2〜3セットを、朝晩やってもらうぐらいできれば十分です。
それ以上頑張らなくても良いと思います。なかなかできない方は、もっと回数が少なくても大丈夫です。
やはり続けてもらうことが大事なので、少しでも良いのでぜひトライしてみてください。
動画では詳しく説明しておりますのでよろしければご覧ください⇩
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は姿勢の悪化を防ぐためのストレッチを紹介させていただきました。
できる方は一つ目のストレッチだけで十分です。
それがうまくできない方は、股関節と足首のストレッチを分けて行ってみてください。
この足首と股関節の柔軟性は、姿勢の改善や姿勢の悪化を防ぐためには、ものすごく大事なポイントになります。
ぜひ覚えておいていただければと思います。
(柔道整復師・鍼灸師 森洋人 監修)



